小児の訪問看護やリハビリの現場でよくある事だが、第1子が障害をもって生まれてきた場合、育児経験のないお母さんたちは戸惑うことが多い。育児のことに加えて子供の病気のことにも向かい合わないといけないからです。だから、訪問の時には看護やリハビリテーションだけでなく育児のアドバイスをすることも、担当者の役割のひとつになるんです。
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育児のアドバイス
訪問の時には、看護師や理学療法士や作業療法士、言語聴覚士がそれぞれの専門領域の関わり方だけをするのであれば訪問で行う必要性は低い。
訪問の現場では、いろんなことに遭遇する。いろんな間取りのお家があるし、兄弟がいてる家もあるし、主たる養育者であるお母さんたちは子供の世話だけをしているのではなく、家事の切り盛りもしていることがほとんどです。
そんな状況にわたしたちは訪問をしているので、時には育児や生活の話を聴いたりアドバイスをすることが求められる。
第1子が障害を持っている場合
当然初めての子育てになるので、お母さんたちの戸惑いは大きい。兄弟がいると、だいたいどんな風に成長していくのかとか、子育ての大変さとかのイメージを持っているお母さんたちも多いんだけど、第1子の場合はそんなことはない。
- 授乳のリズムや間隔
- 睡眠のリズムや間隔
- 泣いてばっかりいる
障害を持っていない子供の子育てでも大変なことと同じことで、障害を抱えている子供を育てているお母さんたちも悩んでいることが多い。
だから、ADL指導を拡大したようなアドバイスというか、育児面のアドバイスを多めにすることが多い。
また、第1子が障害を持っていると、2人目3人目の子供さんを授かった場合は、その子供さんが健康で障害がないと医師から言われていても、不安を持っていることが多い。
だから、2人目以降の子供さんの発達面での成長を確認することをすることが多い。運動機能面などで遅れが出ていないかを訪問時に定期的にチェックしています。
第2子以降が障害を持っている場合
育児という点では、一度経験をしているのでちょっと落ち着いているお母さんたちが多いかな。
むしろこのパターンで気になるのは、お兄ちゃんやお姉ちゃんたちのことです。
二人目三人目の子供さんが病気や障害を持っている場合、どうしても養育者の育児の比重はそちらに移りがち。そのことでお兄ちゃんやお姉ちゃんたちに影響が出ていないかどうかってことの、観察や確認をするように心がけています。
- お兄ちゃんやお姉ちゃんたちとスキンシップとっているか
- お兄ちゃんやお姉ちゃんが赤ちゃん返りしていないか
なんてことを気にしています。
ただ、お兄ちゃんたちがいるってことは第2子以降にとってプラスになることが多いようにも感じています。
養育者であるお母さんたちは、育児だけでなく家事もしないといけません。とうぜん、家事をする時には子供たちから目を離さざるを得ません。
そんな時に、けっこうお兄ちゃんやお姉ちゃんたちが2番目以降の相手をしてくれていることが多いんですよね。
だから、お兄ちゃんやお姉ちゃんたちがいてる場合、障害を持っている妹や弟は結構鍛えられていることが多い。兄弟がいない場合はちょっとした刺激や物音で泣いたりするのですが、お兄ちゃんたちがいるようなお家の場合そんなことはあまりないように感じています。
(良い意味で)叩かれたり、乱暴に抱かれたりといったようなお兄ちゃんたち独特の愛情表現になれてしまっているので、強くたくましくなっているケースが多いように感じています。
訪問だからこそできること
それこそ、使っているおむつの種類やメーカーまでわかってしまうのが訪問の現場です。病院ではなかなか出てこないようなお母さんたちの本音が聞けるのも、訪問の醍醐味の一つと思っています。
だからこそ、専門性を発揮して看護師やリハビリスタッフがかかわりつつも、育児そのもののアドバイスを適切に行う必要があると思っています。
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