ステーションの事務所で先日も記事にした理学療法士がお風呂の間取り図を書き始めた。パーキンソン病の方のお風呂の改修工事をケアマネが考えているらしい。いろいろディスカッションできたので、書いてみた。
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経緯
訪問先のパーキンソン病の利用者さんから、
ケアマネから「お風呂の改修工事した方がいいよ」って言われた
って訪問中に話してくれたらしい。
利用者さんから希望したものでもなく、訪問担当理学療法士に連絡もない。
とりあえずケアマネが考えているだけのような感じ。本人も急いで改修工事しなくてはならないほどの様子ではないって感じ。
理学療法士がスマホで撮った風呂場の写真を見せてもらいながら、お風呂の改修工事についてのディスカッションが始まった。
担当セラピストに確認したこと
担当セラピストに確認してって頼んだのは以下のこと
- ケアマネに連絡し、本人さんが言っていることが事実かどうかを確認する
- 実際に改修に向けて話が進んでいるのかってことを確認する
急がないといけないのはこの2点。この時点で出遅れていて、話が進んでしまっていたら口をはさむ余裕すらないからね。
そのうえで、担当理学療法士として確認できていることを聞いてみた。
現在は、蛇口を持ったり、扉を持ったりして何とか一人で入浴ができているそうだ。浴室内で使っている椅子は、ご家庭でよく買っているタイプの椅子で福祉用具のように座高のあるものではない。だけど、浴槽のふちにつかまったりすることで何とか立ったり座ったりする動作は行えているとのこと。
動作面の確認は済んでいる。だから、急いで工事を進める必要性はなさそう。
そうなると、今後改修工事を本格的に進める際に何を検討すべきかってことだ。
風呂場の改修工事で検討すべきこと
他の記事でも書いているが、
- 浴室入口から浴室内への移動の方法、またはその逆での移動
- 浴室内で洗体動作時の座位保持姿勢
- 浴槽に出入りするときに、浴槽をまたぐための方法
- 浴槽内での立ちしゃがみ
- 脱衣所での脱衣や着衣
本人の能力によっても検討すべきポイントは異なってくるが、このようなことについて考えることが多い。
福祉用品のレンタルなどで考えるなら、浴室や浴槽の広さなどを考慮する必要がある。
また、手すりなどを取り付ける場合には、取り付ける位置や高さや長さだけでなく、壁面内の配管の位置を考慮する必要もある。
セラピストとしては、まず運動機能面で残存能力を十分に検討したうえでどのような改修が考えられるかをそれぞれのポイントに応じて検討してほしい。
同居の家族構成
同居家族の構成も重要な要素の一つだ。
本人以外に同居する方がいる場合、椅子を変えたりすると本人は良くても家族の使い勝手が悪くなったりすることもある。
だから、同居する家族がいる場合には同居する家族の意見も考慮してほしい。
とにかくお風呂場での動作を再確認
念のため、ケアマネと検討すべきことを打合せする可能性に備えて、次回の訪問時にもう一度、浴室内での動作を評価するように若手理学療法士には伝えて、ディスカッションは終了した。
この間10分くらいの指導。
この理学療法士は訪問歴は浅いがセラピスト歴は7年くらいある。だから10分くらいのディスカッションで済む。
これが新人セラピストなら、検討すべき課題一つ一つについて、細かく説明する必要があるのでもう少し時間がかかる。
けれども、昼休みや空き時間を利用することで、訪問リハビリっていう現場でも後輩を育成することはできる。事務所で会う時間を確保することさえできれば、病院で働いているときと同じように後輩指導はできる。
しっかりと育成したい。
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