これも先日病院セラピストの管理職と話していて伝えたこと。若手が地域リハの部署に異動しないことごちゃ混ぜにして考えている管理職は多いのではないでしょうか?若手が外に出ていかないってことと、そのためのシステムを作るってことは全く別のこと。興味や関心を持つための取り組みと、地域に出やすい運用システムを作るってことは同時に実行しなければならない別の課題で、同じ課題ではないのです。
2018年7月18日 追記
回復期リハの管理職に言いたい
先日の記事
⇒⇒回復期リハ病棟でしか働けない人材は不要です
って記事の続編だと思ってもらっていい。前回の投稿では、若手セラピストに対して言いたいことや理解してほしいなって思うことを書いた。今回はその先輩や上司というポジションにある人に言いたい。
回復期リハに勤務している管理職系セラピストで地域リハビリをご存じなければ、そんな管理職はさっさと退職したほうが病院のためになる。
- 地域包括ケアシステム
- 活動と参加
- 2025年問題
- 多職種連携と多事業所連携
こういったキーワードを聞いてもピンってこない10年目以上のセラピストとか主任とか科長とか管理職やっているセラピストが回復期リハで働いているから、若手セラピストも病棟でしか働けなくなるんだろうな。
キーワードのことを知っているセラピストでも
- 地域のことを知ることが大事だって若手には言ってる
- 自分は地域に出る努力をしている
- 若いセラピストが興味を示さない
って言っているだけの管理職もいらない。
最近の若手は結構勉強熱心だから、興味を持つように仕向けることで地域リハビリテーションの必要性を理解してもらうことは可能だと思う。
スタート地点としての意識
回復期リハは地域リハのスタート地点!病院セラピストは意識改革が必要!!
という投稿でも書きましたが、回復期リハビリテーション病棟は地域リハビリテーションの一翼を担っています。
だから患者さんの退院後の経過を知ることや、そのために今現在何をすることがあるのかってことを考える必要があります。
回復期リハビリテーション病棟には、いったん自宅に帰ったけど骨折して再入院っていうような患者さんはいるでしょう。
そういった方の具体的なカンファレンスとか事例検討みたいなことを積極的にすれば、若手は気づくと思うんですよね。
- 何故転倒したのか?
- 家屋状況は?
- 退院時の能力と転倒時の能力の違いは?
- 在宅でのサービス利用状況は?
- 現在の状態は?
- 退院するためには何をすべきか?
- 再転倒しないための工夫は?
こんなことをディスカッションしたり、担当の若手セラピストと検討すれば、いろんなことに気づいてくれるよ。
課題になるのはシステムつくりだ!
いろいろ努力して、若手セラピストが地域リハビリテーションの必要性を知って理解を示してくれた時の働きかけは管理職として重要。
だけどホントに大事なのはそれをシステムとして構築していくことです。
- 退院前指導の時間をしっかりと確保する
- 退院前カンファレンスに参加できるようにする
- 法人内の訪問リハ部門、通所リハ部門と定期的に勉強会をする
- 近隣の他事業所のセラピストと定期的に勉強会を開催する
こういった時間を確保するようなシステムを作り上げることが管理職の役割。
特に同法人内に訪問リハ部門や通所リハ部門があるなら積極的に情報交換をすべきだ。
これって実践して定期的にやっている病院とやりたいけど何もしていない病院との差はこれからどんどん拡大すると思う。
たんに回復期リハのことだけを考えてリハビリテーションをやっている病院と、退院後の生活のことを踏まえて連携とか在宅生活のスタイルのことを考えて回復期リハでリハビリする病院とでは雲泥の差だ。
必ず格差が生まれる。
そうならないためにはシステムつくりが必須。
若手が動かないんだよねー、いつも言ってるんですけどね
って口で言うだけで実際は何のシステム構築もしていない、若手が動きたいと思ってもそうできない環境にあるような回復期リハビリテーション病棟は淘汰されてしまえばいい。
【ここから追記】
このコラムは2016年に書いていました。
だけど、2018年7月現在も余り状況は変わっていないようです。7月に入ってから金沢と石巻で講演させていただきましたが、こういったことに積極的に関わろうとしている管理職は少なそうでした。
いつになったら進めるのかなあ?
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