病院のリハビリの特徴と役割

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私が作業療法士の資格を取得した1991年はリハビリテーションといえば病院でするのが当たり前の時代でした。病院でのリハビリが主流とするのは2014年の現在でも変わらないと思いますが、周囲の環境は大きく変化してきています。病院だけでリハビリテーションが完結する時代ではなくなってきたのですね。じゃあ病院でのリハビリテーションの役割ってなんなんでしょうか?


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専門性と集中的なリハビリテーション

他の記事でも書いていますが、回復期リハビリテーション病棟を中心とした病院が担っている役割といえば専門的なリハビリテーションを集中的に行うってことだと思います。

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士

リハビリテーションの3職種が最大でそれぞれ1時間、1日あたり合計3時間のリハビリテーションを受けることができる。1日あたり3時間ものリハビリテーションを受けることができるのは、この記事を書いている2014年の時点では回復期リハビリテーション病棟に入院している間だけのことです。

老人保健施設や介護保険などによる訪問リハビリなどでは1日あたり3時間ものリハビリテーションを受けることはできません。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、のそれぞれの職種が専門性を発揮して分業しながら時には連携を取りながら患者さんのリハビリテーションを実践するのが回復期リハビリテーション病棟を持つ病院の特徴といえます。

車椅子や補装具を作製すること

病院勤務の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方は案外ご存じないのかもしれませんが、車椅子や補装具類を作成することができるというのも回復期リハビリテーション病棟を有する病院の特徴の一つなんです。

老人保健施設では施設内で装具診察などはできません。在宅にいる患者さんたちも、装具診察のある病院に通院するか、自治体等が開催している補装具などの巡回診察などに出かけるなどしないといけないのです。

回復期リハビリテーション病院を退院してからの、車椅子の作成や補装具の作成というのは大変手間がかかるのです。

だからこそ、患者さんに補装具や車いすなどが必要な場合はしっかりと入院期間中に何とか作製に取り掛かってほしいんですよね。

担って欲しい役割

専門性の高い個別リハビリテーションを実践することだけが、回復期リハビリテーション病院の役割ではありません。介護保険などを中心とした在宅でのリハビリテーションや、老人保健施設でのリハビリテーションも普及し、患者さんのリハビリテーションは病院のみで完結する時代ではなくなってきました。

だからこそ、病院のセラピストに担って欲しい役割の一つに、地域リハビリテーションへの情報発信があります。

地域への情報発信

医学的な患者さんの情報というのは病院でしか入手できません。訪問リハビリや老健のリハビリの現場で入手できる情報は限られています。在宅や老健では積極的な検査などは実施できないからです。

だからこそ必要な情報は地域へ発信してほしいのです。

一般的には回復期リハビリテーション病院に入院している患者さんの多くは、その病院の近隣のお住まいの方が多くなりますから病院の近隣にある老人保健施設や、介護保険事業所などと連携が取れる体制を築いてほしいと考えています。

そうすることで、患者さんの情報がスムースに地域に発信されることになるからです。

退院後の状態の把握

入院中に指導した、自主トレや住宅改修などのその後の経過などを把握している理学療法士や作業療法士、言語聴覚士はかなり少ないと思います。退院後の情報もなかなか入手しにくい病院もあると思うからです。

だけど、住宅改修がどれくらい効果的だったかどうかなどの判定をしてその情報を蓄積しないとより効果的な住宅改修を行う事はできません。

その為にはできるだけ、退院後の患者さんの情報を入手できる体制の構築が必要になります。その為にもぜひ近隣の老人保健施設や、介護保険事業所の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士と連携しておいてほしいのです。退院後の状況を最も把握しているセラピスト情報交換を行う事で、入院中のリハビリテーションの成果を確認することができます。

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