リハビリ系の加算はチャンスではなく危機だと思う

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通所リハビリや訪問リハビリテーション事業所で算定することのできる「リハビリテーションマネジメント加算」や2015年の介護報酬改定で新設された「生活行為向上リハビリテーション実施加算」「リハビリテーションマネジメント加算2(II)」は、これらを運営している事業所にとっては朗報なのかもしれない。だけど、見方を変えれば、地域リハビリテーションにおける連携が円滑に行えていない現状があるってことだ。そんなことを書いてみた。

*このコラムは2月13日時点の情報をもとに書いています。


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2015介護報酬改定での重い一文

2月7日に報酬改定の資料がいろんなところに出始めて、その多くは点数のことや受講しなければならない研修会のことに多くの理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の目は向いているだろう。

だけど、注目してほしいのはこの一文だ

4.訪問系・通所系サービス共通

1、リハビリテーションの基本理念
リハビリテーションは「心身機能」、「活動」、「参加」などの生活機能の維持・向上を図るものでなければならないことについて、訪問・通所リハビリテーションに関する基本方針に規定する(訪問看護、通所介護、認知症対応型通所介護も同様に規定する)。

2、訪問リハビリテーション及び通所リハビリテーションを同一事業者が提供する場合の運営の効率化
訪問・通所リハビリテーションの両サービスを、同一事業者が提供する場合の運営の効率化を推進するために、リハビリテーション計画、リハビリテーションに関する利用者等の同意書、サービス実施状況の診療記録への記載等を効果的・効率的に実施できるよう基準を見直す。

3、リハビリテーションを提供する事業者に係る運営基準
訪問・通所リハビリテーションを提供する事業者は、介護支援専門員や各指定居宅サービス事業所の担当者等がリハビリテーション会議の場に参画し、リハビリテーションの観点から利用者主体の日常生活に着目した支援方針や目標、計画を共有できるよう努めることとする。

特に、3のリハビリテーションを提供する事業者にかかる運営基準に書かれていること
訪問・通所リハビリテーションを提供する事業者は、介護支援専門員や各指定居宅サービス事業所の担当者等がリハビリテーション会議の場に参画し、リハビリテーションの観点から利用者主体の日常生活に着目した支援方針や目標、計画を共有できるよう努めることとする。

この文章の意味をきちんと理解しているセラピストや事業所の管理者はどれくらいいるのだろうか?

この文をもっとわかりやすく書くと

リハビリテーションを実施するなら、関係各機関と連携しながらきちんと情報共有してね、そうすることで、より効率の良いサービスを提供してね。そうすることで、利用者さんの利益の向上を目指すんですよ!

ってことですよ。

加算をつけないと連携しないってことだろ

リハビリテーションではチームアプローチが重要とか連携が重要なんだってことは、このブログでも私が主催しているやまだリハビリテーション研究所の研修会で何年も前から主張していることだ。

だけど、昨今のリハビリテーション従事者はそんな風に考えていないのかな?

だからわざわざ連携することによる加算をつけることになったんでしょう。加算をつけない事には誰も連携しないってことなんじゃあないのか!

まったくの私見ですが、連携をすることはリハビリテーション業務においては非常に大事なことで、加算があろうとなかろうと連携して情報共有して効率の良いサービスを提供するのは当たり前なんですよ。

だけど、わざわざ介護報酬改定の資料にこんな文章が掲載されるってことは、連携やチームアプローチがないがしろにされているってことのあらわれだ。

地域で働いているセラピストは危機感を持つべきだ

今回の改定では作業療法士としては、生活行為向上リハビリテーション実施加算が組み込まれることに注目していました。

だけど、ふたを開けてみたらそれ以外に

訪問・通所リハビリテーションを提供する事業者は、介護支援専門員や各指定居宅サービス事業所の担当者等がリハビリテーション会議の場に参画し、リハビリテーションの観点から利用者主体の日常生活に着目した支援方針や目標、計画を共有できるよう努めることとする。

これがわざわざ記載されている。この一文に危機感を感じるセラピストはどれくらいいるのだろうか?

まずは自分の事業所での連携

通所系サービスのデイケアやデイサービスに勤務している理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方は一日の通所の反省会とかできちんと看護師さんや介護職員の方とその日の情報交換できているのかな?

ケアマネ事業所を併設している事業所に勤務しているリハビリスタッフは、きちんとケアマネジャーと顔を会わせて情報交換していますか?

こんな当たり前のことがきちんとできている事業所はどれくらいあるのかな?

リハビリテーションスタッフが、リハだけで集まってなんか話をして他職種とはほとんど会話をしていないような事業所もあるんじゃあないのかな?
ケアマネやヘルパーと普段から会話してる?

加算とるなら時間の確保を!

リハビリテーションマネジメント加算2(II)や生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定することを検討している事業所は、書類の作成とリハビリテーション会議やカンファレンス、日常的な情報交換のために1時間位の余裕を毎日とらないと本当の連携なんて出来ないよ。

スタッフが交代でもいい、毎日誰かが1時間くらいフリーの時間を作り出す努力しないと結構厳しいのではないかな。

管理職だけでなく一般の職員も連携についてきちんと理解して取り組んで欲しい。

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