KYTのことを書きましたが、実践では危険予測が重要となります。新人や後輩へわかりやすく危険予測や危険予知といったKYTを指導するには、危険な状態を具体的な言葉にして伝える必要があります。
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もっと深く腰掛けて
リハビリテーション室で時々聞こえる声掛けの一つがこれです。
「もっと深く腰掛けてくださいね」
新人の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが先輩から
「もっとしっかりと座らせなさい」
なんて風に声をかけられることもありますよね。
危険予測の考え方としてとらえると
- あの座り方だとバランスが不安定だな
- 座っている場所から転落する可能性があるな
- ずりおちてしまうのではないか
などという風に判断した結果「もっと深く腰掛けてくださいね」とか「もっとしっかりと座らせなさい」ってことになるのだと思われます。
しかし、このような指示の与え方では新人や若手の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士に対して、危険予測の能力を高めることはできません。このような指示は 危険を回避するための対応 を伝えているのであって、何が危険であるのかを伝えていない から危険予測能力を高める指導になっていないのです。
危険予測能力を高めるための指導
「もっと深く腰を掛けてくださいね」
って伝えるとき患者さんの座っているときの状況が
- どのような座り方をしていて
- その座り方のどこが危険と判断するのか
ということを伝えてあげる必要があります。単に修正するポイント、この場合は「深く腰掛ける」を伝えても、危険の回避方法を学ぶだけであって、危険を予測することを学ぶことにはならないのです。重要なのは、なぜ危険と判断したのか を伝えることなんです。しかもそのことを「バランスが不安定だった」というようなあいまいな伝え方ではなく、より具体的にわかるように伝えることが必要です。
たとえば、「プラットホームへの座り方が浅くて、ずりおちる危険がある」場合。新人や若手へ伝えるには
座り方が浅いから、もっと深く座らせましょう
では50点くらいの指導ですね。なぜ50点なのか!
「座り方が浅い」っていうのはお尻の位置が前方にありすぎてプラットホームから落ちそうだという状況です。じゃあ、お尻の位置がどこにあったら「深くすわっている」状態と判断しますか?お尻の位置がどこにあったら「浅く座っている」と判断しますか?その 判断のポイントをかなり具体的 に新人や若手に伝える必要があります。
座った時に両足の間から(両大腿部の間)座面が見えたら、深く座っていると判断できますが、両大腿部の間から床面しか見えない場合は浅く座っていると判断できます。
これくらい具体的に伝えないと、危険予測能力を高めることができません。
危険と判断した根拠や理由を具体的に伝える
危険を回避する方法だけを伝えるのではなく、危険と判断した根拠をあいまいな言葉ではなく、具体的に伝えることで、危険予測能力を高めることができるのではないでしょうか。
ベテランのセラピストは、これまでに培った経験から「なんとなく危なそう」「あー、あれは危ない」って判断していると思います。できることなら、経験で培ったことをあいまいなフィーリングで伝えるのではなく、より具体的な言葉にして伝えることが新人・若手セラピストを育成することにつながります。
フィーリングよりも具体的な言葉にして伝えましょう。
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