リーチ動作の段階付けのこと

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2019年12月7日 追記
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士等のリハビリテーションにおいては、アプローチの際に「段階付け」が重要ですよと指導を受ける。

実習生への指導においても、目標設定やプログラムの立案にあたっては「段階付け」を考えなさいよって言うような指導する。

じゃあ、その段階付けってどんな風にするのかってことを「リーチ動作」を例にあげて書いてみた。

動画でも基本的なことをお伝えしています。
【動画】リーチ動作の段階付けのこと(聴くブログ2)


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アプローチの難易度

(前置き)
段階付けっていろんな意味で用いられる用語で、特にリハビリテーション用語と言うわけではない。ここで書く、「段階付け」はアプローチの難易度を設定するために工夫するやり方と言う意味として用いています。

リーチ動作を考える

ここで言うリーチ動作とは、上肢を前方や側方に向かって伸ばす動作を指します。

アプローチの難易度を設定するために、リーチ動作を段階付けて考える要素はたくさんありますが、一例をあげると

  • リーチの距離
  • リーチの方向
  • 足のステップの位置や向き
  • 姿勢

等が考えられます。分かりやすく解説するために、ここではリーチ動作のみに限定して解説します。実践的には、物を持ったりしてリーチしたり、リー氏先で把持しているいものを離したりするなど、どのようなアクティビティを用いるのかと言うことによっても段階付けするのですが、ややこしくなるので、とりあえずリーチ動作のみに限定して書いてみます。

リーチの距離

一般的には、リーチ距離が短い方が難易度は低く、リーチ距離が長くなるほど難易度は高くなります。

対象者さん(患者さん)の、随意性や関節の稼働域を改善するために、対象物までの距離を少しずつ伸ばしていくと言う風に段階付けします。

リーチの方向

上肢をリーチさせる場合、どの方向にリーチさせるのかによって課題の難易度は変化します。

  • 空間へのリーチ
  • テーブル上に手をのせてリーチ(雑巾がけみたいなかんじ)

空間へのリーチと、机上動作等でのリーチは上肢を支えるのに必要な肩関節や肩甲帯周囲の筋力というか保持力が異なります。

対象者さん(患者さん)の治療目的により、どちらが難易度が高いかと言うのは異なるのですが机上動作、リーチよりも空間へのリーチの方が難易度が高い場合が多いと思います。

  • 前方へのリーチ
  • 側方へのリーチ
  • 上方へのリーチ
  • 下方へのリーチ

姿勢やバランス保持の能力によっても異なりますが、リーチする方向によっても課題の難易度は異なります。

上肢の空間での保持力が不十分な場合には下方へのリーチの方が動作としては行いやすく、前方、上方へのリーチは難易度が高くなります。

足のステップや向き

座位でも立位でもリーチする方向に一歩ステップすれば、支持基底面がリーチ方向に広がりバランスが安定するため一般的にはリーチ動作が行いやすくなります。

片麻痺患者さんの場合、リーチする方向が麻痺側なのか非麻痺側なのかによっても難易度は異なります。ステップしやすい側とステップが難しい方向があります。そのため、方向を変化させることによって難易度を変えることが出来る訳です。

姿勢

  • 座位
  • 立位

支持基底面の広さや、支持基底面と重心の位置関係によってバランスといいますか、姿勢の安定感が異なってきますが一般的には座位姿勢の方が姿勢は安定しやすい状態にあります。

座位または立位それぞれの姿勢において、これまでに提示してきたリーチ距離、リーチの方向、ステップの向きなどを組み合わせることによって段階づけの幅を検討することになります。

座位保持が難しい方の場合

  • 車いす+前方に机
  • 背もたれのある椅子+前方に机
  • 背もたれのある椅子のみ
  • 背もたれのない椅子

というように、「車いす+前方に机」というように座位を補助するような支持面が多くある環境と、背もたれのない椅子に座ってリーチするというような環境では、課題に対しての難易度が変わってきます。

それぞれの構成要因を工夫する

課題やアプローチのプログラムを構成する要因を一つ一つ考えることで、それぞれの構成要素について難易度を変えるために工夫するのが「段階付」なんですよね。

目的の動作を獲得するための治療プログラムの中で、到達目標までに5段階と10段階の段階づけを考えることのできるセラピストがいるなら、10段階考えるセラピストの方が優秀であると思います。

より細やかな段階づけを考える工夫ができるからです。一つ一つの難易度の段階を様々に工夫できるアイデアが必要なんです。

ここで例に挙げている要素以外にもリーチ動作で課題の難易度を設定するための構成要素はまだまだあります。
患者さんの状態によって取り上げる要素も異なってきますし、これらの構成要素を複数組み合わせて段階づけというものは設定すべきものなのです。

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