病院や老健を退職して、訪問リハビリの領域に転職される理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の方も多いのではないでしょうか?「より地域に密着したい」「在宅の支援をしたい」「訪問でガッツリ稼ぎたい」等々理由はいろいろあると思いますが、訪問リハビリは施設や病院での業務といろいろと異なることが多いので、最初の6ヶ月を乗り切ることが大事なんです。そこさえ乗り切れたらあとは大丈夫!
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なぜ6ヶ月なのか
訪問リハビリテーションの領域に転職される場合、これまでお仕事されてきた病院や老健といったところでの理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の業務と大きく異なる点がいくつかあります。これまで多くの訪問リハビリ業界への転職者を見てきた筆者としては、おおよそ半年間くらいは慣れるのに時間を必要とすると感じています。
- 介護保険のシステムの理解
- ケアマネージャーという職種への理解
- 新規患者さんの評価とプログラムの立案
- 移動ルートの開拓
- 四季の変化への対応
上記の5点が訪問リハビリ業界へ転職してきた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士や看護師さんがのりきらないといけないポイントなんです。それらについて順次解説します。
介護保険システムの理解
病院でのリハビリは、自分たちのスケジュールに合わせて次々と患者さんのリハビリをすればよかったのではないでしょうか?
介護保険は全く違います、自分たちの都合に合わせたスケジュールで患者さんのリハビリテーションを行えばよいというものではないのです。
1ヶ月の予定はすべて決まっている
利用者さんの介護保険のサービスの予定というものは毎月1ヶ月単位ですべて決まっています。それらの調整をするのがケアマネジャーという存在です。訪問リハビリを提供している、訪問看護ステーションや訪問リハビリ事業所が勝手にスケジュールを決めてよいのではないのです。
スケジュールの調整はすべてケアマネジャーが行いますので、訪問の予定の変更などについても利用者や家族に了解を取るだけではなく、ケアマネジャーにも了解をとる必要があります。
書類が多い
とにかく介護保険は何でも書類なのです。契約書、重要事項説明書、一ヶ月の予定表、何でも書類なんですよ。
訪問を実施したということも、事業所に送られてくる「1ヶ月単位の計画票」に訪問した日付にチェックを入れなくてはなりません。カルテを記載しているだけではダメなんですよ。
その書類にもしっかりと慣れてください。
ケアマネジャーという職種への理解
訪問リハビリの契約は、所属している事業所と利用者さんとで行います。訪問リハビリを行っている事業所とケアマネジャーの事業所が何か契約しているということはありません。
だけど、利用者さんとケアマネジャーさんはサービスの調整などを行うための契約を行っています。
そのあたりが病院業務と大きく違うところですね。自分の担当している患者さんの報告を外部のスタッフに行う必要があるのです。内部のスタッフではありません。
毎回の報告は必要ありませんが、出来れば初回訪問後と何か変化があった時には連絡しておくほうが良いと思います。
自分の所属している事業所のみで業務が完結しないのが、介護保険の特徴であると言えます。
何かあったら、ケアマネージャーさんにも連絡する習慣を身につけましょう。
新規患者さんの評価とプログラムの立案
訪問業界に転職した多くの理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のかたは、その事業所で担当する利用者さんの多くは新規にしろ、引継ぎにしろ初めて担当する利用者さんばかりです。
自分の1週間のスケジュールが担当の利用者さんでいっぱいになるのに早くて1ヶ月、事業所によっては3か月くらいかかるかもしれません。とにかくスケジュールがいっぱいになるまでは、全ての利用者さんが初めてお会いする利用者さんです。
- 全ての利用者さんの評価して、プログラムを考える
- 利用者さんや家族の方との関係を築く
毎日毎日、これをこなしていかないとならないのです。これが大変。私のように経験を積んでいるセラピストでも、さすがに出会う利用者さん全てが初対面で、一から評価を開始して、また次の家に伺っても初めてお会いする患者さんで評価を開始してってことを繰り返すとさすがに疲れます。
自分のスケジュールが決まって、利用者さんともいい関係になって、プログラムがおおよそ決まるっていうのに半年くらいかかると思います。
いまでも、1週間に3件くらい新規の患者さんが入ってくるとけっこう疲れるからね。
それが毎日だから、余計に大変です。ここが一番の踏ん張りどころです。
移動ルートの開拓
利用者さんの評価と、関係性を築くのに疲れるのに加えて、訪問に必要な道順を覚えなくてはなりません。
これも病院業務ではない事ですよね。利用者さんのいてる場所までたどり着かなくてはなりません。
しかも段々と担当する利用者さんが増えてくるので、覚える道順もどんどん増えてきます。
所属している事業所が、地理的に詳しいエリアなら問題はありませが、全く知らないエリアなら最初はなかなか道が覚えられなくて苦労します。
これにもやはり半年くらいかかることになります。
四季の変化への対応
夏は暑くて、冬は寒い
そんなことはわかっているんだけど、外回りの訪問業務で一番つらいのは案外これかもしれません。
夏には1リットルの水筒をカバンに入れています。冬はユニクロのヒートテックを重ね着して靴下も重ねてはいて寒さをこらえながらバイクで訪問しています。
ひと通りの四季を体験するのに1年かかります。一番つらいのは冬です。この寒さを乗り切ることができたら、もう立派な訪問セラピストです。
まとめ
色々と初体験のことが多い訪問リハビリ業界ですが、とにかく半年を乗り切ることができればもっと続けることができます。だから、最初の半年間は頑張って乗り切りましょう。
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