病院での症例検討会のこと2 「症例発表そのもののすすめ方や発表のポイント」のこと


病院での症例検討会のこと1 「指導するときのポイントや考え方」(2022.5.16)というコラムがよく読まれているようなので、そのコラムで書いた症例検討会のアドバイスをしながら意識している指導のポイントのそれぞれについて少しずつ書いてみます。

月1回定期的に症例検討会のアドバイスをしている病院さんで、長期的にアドバイザーとして関わりながら指導・教育を行っているのですが、月1回とはいえ長期的にかかわっているからこそできる指導のポイントです。2016年から月1回の関わりを継続している病院さんです。

今回のコラムでは「症例発表そのもののすすめ方や発表のポイント」で伝えていることを書いてみます。

このコラムはシリーズコラムです。そのほかのコラムはこちら
セラピストへの教育シリーズ

症例検討会はこんな感じ

A4用紙にレジメを作ってパワポで表示して発表するというスタイル。症例検討会は1時間~1時間半程度なので、発表時間は特に決めていません。15分から20分くらいが多いかな。

特に書式を指定しているわけではありませんが、パワポで発表するスタッフが多い。以前は大阪府作業療法士会の症例発表のような形式(A41枚)が多かったのですが、伝えたい情報が多いため枚数が増えてきています。

発表者はレジメを読みながらプロジェクターに映しながら進めます。

そんな発表を聞きながら指導していることのうち、「症例発表そのもののすすめ方や発表のポイント」について書いてみる。

用語の使い方

先日の発表では「USN」との記載があった。英語や略語を使うことは構いません。だけど、じゃあ「USN」は正式にはなんて書くべきなの?

半側空間無視(unilateral spatial neglect、USN)

英語の略語を使うなら、きちんと英語での表現も覚えるようにしてほしいということも伝えています。そうでないなら、日本語表記のみとするようにしてねとも伝えます。

カルテに記載されている用語をそのままレジメに書いたり、日常的に先輩が使っているからというような理由で略して使っているけど「ホントは何なの?」って部分をきちんと学んでほしいのです。

中途半端な言葉

その職場独特なのかどうかはわからないのですが、「移乗」という表現を「トランス」と表記するスタッフが多いんですよね。「トランス」なんて言葉は客観的にみて「移乗」を表現する言葉ではないので、「移乗」もしくは「トランスファー」と表記するように伝えています。その病院では通じるかもしれないけれど、ほかでも通用しないなら使わない方がいいですよね。

症例の全体像をとらえること

学会発表風に症例検討会の発表にはなるべくタイトルつけてもらっています。

タイトルを意識することで、その症例の発表のテーマは何なのか、何で困っているのか、どんな問題を抱えているのかってことを表現できることが多いからです。

でもこれが難しい、「〇〇を有する片麻痺の治療」とか「〇〇(疾患名)へのアプローチ」というようなタイトルも目立つ。

症例検討会の順番が回ってきたから発表するんだろうけど、せっかくの機会なので「検討すべき目的を持った症例検討会」にすべきだと考えています。

経緯、評価、問題点、目標、プログラムというような通り一遍の順番通りに発表して、「質疑応答」では無目的だと思うのです。

一言でまとめるのは難しいけど

  • このケースの抱えている問題点で一番困っていることは何?
  • OTとしてアプローチで困っていることや悩んでいる部分はどこ?
  • このケースはいったいどんな症例なの?
  • ほかのスタッフからの意見を聞いてみたいポイントはどこ?

というようなことはまず質問するポイントです。

そこを明確にしないと、アドバイスもできないですからね。知りたいことや学びたいこと、他のスタッフの視点からの学びのポイントを押さえる意味でも

「何のための症例検討会?」

って部分ははっきりと提示してもらいたいんですよ。

きれいな発表でなくていい、言葉で表現する

症例検討会は、発表者も参加しているスタッフも、「言葉」でどのように頭の中の考えを整理して伝えることができるのかということを練習する場だと捉えています。

  • 病棟での多職種との会話
  • 主治医への報告
  • 先輩や上司への質問

こういったことのほとんどは「言葉」でのやり取りとなります。

同じ作業療法科のスタッフ同士の症例検討会で、きちんと話せない、要領よく伝えられないのであれば、病棟でも主治医とのやり取りでもうまく伝えることはできないと思います。

だから、質問するときは具体的にどう考えているのかということを引き出せるように工夫をしながら質問したり、同じ表現の方法ならどのような伝え方が良いのかということを提示するように心がけています。

自分の頭の中の思考を言語化することは練習が必要なので、症例検討会ではそのことを意識しながら行っています。

まとめ

学会の発表ではないので、何らかの答えが出ている、結果を見せる、という症例検討会ではなく、現在進行形の患者さんへのアプローチをどう工夫すべきかというような症例検討会において、まずは「基本的な指導」に関することを今回は書いてみました。

特にこの時期4月~6月くらいの新人さんの発表では、2年目や3年目の方に振り返ってもらうことも含めて基礎的な部分をきちんと指導しています。

私は非常勤掛け持ちの作業療法士であり、コンサルタントなどではありません。
しかしこれまでの経験を活かしながら、病院のリハや生活期領域のリハ関連部門に対して、これからのリハビリテーション部門の在り方などに対してアドバイスや助言をすることはできると自負しています。
収益を上げるための助言はできませんが、より良いリハビリテーションを提供するためにはどうすればよいかということを、一緒に考えることはできると思います。

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