2月と3月はいろんな人と会って、打ち合わせしたり現状の確認をしたり、新しいお仕事につながるための行動をしてみたり、とにかく人と会っています。そんなときにお会いした元同僚の理学療法士さんの「地域、地域とか、地域リハビリテーションって強調されたり声高に言われたりすることへの違和感を感じる」っていうお話があったので、そのことを書いてみたいと思う。
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地域とか地域リハビリのこと
地域医療構想、地域包括ケアシステム、地域包括支援センターなどなどとキーワードとしての地域って言葉を目にしない日はないくらい地域ってキーワードは乱立している。
それに同調するかのように、リハビリテーション業界では地域リハビリテーションって言葉がクローズアップされている。
だけど地域って言葉やそこへの関わりっていうものが特殊な領域のものではないと思っている。
リハビリテーション業界の区分みたいのモノで考えると
小児領域とか高齢者のリハビリっていうものは、年齢によるリハビリテーションの区分だ。心疾患とか脳血管疾患のリハビリとか骨折とかのリハビリっていうのは疾患別や障害別のリハビリテーションの区分だ。急性期とか回復期とか生活期っていうのは発症からの時期によるリハビリテーションの区分。
だから、5歳で骨折した子供が急性期病院でリハビリしたら「小児領域、整形疾患、急性期」のリハビリテーションってことになるし、70歳の脳卒中で要介護の人が訪問リハビリ受けていたら「高齢者、脳血管疾患、生活期」って感じなるから、それぞれの領域がオーバーラップすることになる。
だけど地域っていうキーワードは場所をさしているわけですよね。疾患でもなく時期でもなく年齢でもない区分です。
僕たちリハビリテーション専門職である、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士はネット上の存在やデータではなくて、実在していてその業務やミッションを遂行するにあたっては何らかの場所であったリ建物が必要になってくるわけですよね。
そうして、その場所っていうのはそれぞれの住所というのかな、それぞれの地域に実在しているわけですよね。
だから、すべての理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方はすべてがある意味地域に所属するリハビリテーション専門職ってことになるわけですよね。
さらに言うならいろんな「地域にある場所」でそれぞれの領域のリハビリテーションを実践しているので、どのセラピストも地域リハビリテーションを展開しているといっても間違いではないと思うんですよね。
理学療法士さんが感じた違和感
僕と会った理学療法士さんが
「地域、地域とか、地域リハビリテーションって強調されたり声高に言われたりすることへの違和感を感じる」
っていうのは、
どのセラピストも地域にいることが当たり前なのに、いまさらのように「地域のことを考えよう」とか「これからは地域のことを考えることが必要」って言われていることに対して、おかしいって感じているのだと解釈しました。
もともと僕たちが働いている現場は雲の上にあったり、他の国にあったり、鎖国された空間にあるわけではなく、近所にはそれぞれの地域の人が生活している空間があるわけで、患者さんたちや利用者さんたちはそこに住んでいるわけです。
広義に捉えれば、僕たちリハビリテーション専門職はそんなみんなが暮らしている地域でリハビリテーションを展開しているんです。
だから、いまさら地域地域っていうのはおかしいんじゃないのかってことだとその理学療法士さんは言いたかったんだと思うんですよね。
特殊な空間と感じている誤解
だけど、ここに書いたように地域とか地域リハビリテーションをとらえているのは少数派だ。
なんだか
- 疾患別の領域
- 時期別の領域
- 年齢別の領域
- 病院なのかそうでないのか
そのあたりのことにこだわったり、そういう区分が当たり前と感じていたりするセラピストが多い。それに働いている場所がどういった領域に帰属しているのかってことがそこで働いているリハビリテーション専門職にとってのアイデンティティーみたいなものになってくるんだろうと思う。
だから、自分たちが地域に存在しているんだって思いが希薄になってくるんだろうな。
僕たちリハビリテーション専門職はいつでも地域にいる
そんなことを自覚しない人がたくさんいるから、改めて声に出されたり指摘されているんだろうと思う。
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