多職種連携は事業所のルール作りから始まる

(当サイトの記事内にはアフェリエイトなどの広告が表示されています)


X(旧Twitter)連携ってなかなかうまくいかないねって感じのことを書いた。その中のやり取りでモヤモヤしていることもあるので、ブログできちんと書いておく。もとになったXのポストはこちらです
https://x.com/yamada_ot_labo/status/1743543928849355145?s=20

返信のポストをいただいた方の考え方を否定するとか攻撃したいわけじゃない。いろんな考え方があるし、僕は経営者ではないので収益のことまで考えてポストしているわけでもないからね。立場が異なれば考え方は異なる。だからここに自分の考え方を書いておく。

気になっているのは連携のすすめ方の部分で「事業所の方針=経営者を含めた管理職個人の裁量ですので、それは“個人の努力”かと思っております。」というご意見。

一連のポストの中で、

「顔の見える関係作りから始めましょう」

なんて何十年も前から言われ続けているという事は連携を重視しているセラピストはいないんじゃないかな?というのが僕の意見です。僕自身は多職種連携をもっと進めるべきだと考えている。出来ることなら事業所内での多職種連携から始まり、多事業所連携や多領域連携まで進めていくことが必要であると考えています。

でも訪問看護ステーションに勤務する作業療法士の視点で考えると、訪問看護ステーションの多職種連携にはいろいろ課題が多いと考えている。診療報酬や介護報酬改定議論の中でも、事業所内のリハと看護の連携が不十分といった議論から、セラピストのみの訪問には定期的な看護師の関与が必要となり、さらにはそれを文書で残すために「報告書の別添」が追加されたという経緯がある。

訪看リハの連携の課題

連携がうまく進まないことについては動画でも伝えています。
2024年同時改定に向けた訪問看護ステーションのリハビリテーションの変え方
「個」の力で業務をすすめがちなセラピストに対して「チームで進める」看護師さんたちの違い、連携に関しての考え方の違いなどに加えて、

「出来高で働いている訪看セラピストがいること」

も大きな課題。月給制の事業所もあれば、訪問件数に応じて給与が変動するシステムのところもある。出来高で給与が決まるのであれば、なるべくスケジュールをたくさん詰め込みたいというのがセラピストの本音でしょう。かつて私もそのような事業所で勤務し、8時間勤務で8件の訪問をこなしていたこともありました。

スケジュールぱっつんぱっつんになってくると、当然ながら連携にかける時間は無くなる。

事業所内で看護師さんと話す時間もなく外回り、担当者会議や退院前カンファレンスに参加する時間も確保できない。

じゃあ、それらの時間を確保するために訪問件数を減らせばよいのではないかというと、給与が減ってしまう事となってしまい簡単な話ではない。

だから事業所として連携を進めるためのルール作りが必要になると私は考えているのです。

事業所としての運営方針

個人の裁量ではなくて、事業所としてのルール作りが必要だと考えています。

  • 事業所内での連携に必要な時間の確保
  • 事業所外での連携に必要な時間の確保
  • 新規ケースを担当した時のケアマネとの情報共有のすすめ方
  • 退院前カンファレンスで確認すべき事項
  • 定期的なケアマネとの情報共有

いろいろあるだろうけど、事業所として事業所内連携や事業所外での連携をどのようにとらえて、どのように進めていくのかという部分のルール作りは不可欠だと思うのです。

職員の訪問件数などにもかかわってくるので、個人裁量では調整できない部分ですよね。給与の増減にもかかわってくる。だからこそ「事業所として連携をどう考えているのか」という事が重要になってくると思うのです。

システム作りが必要

「顔の見える関係作りから始めましょう」なんてあいまいなことを言ってお茶を濁しているから連携は前に進まないのです。

訪問看護や訪問リハの事業所は同じ場所にあり続ける。たまに引っ越しはあるかもしれないけどね。

だったら、2年、3年・・・5年と経過するにつれて同じエリアの事業所のスタッフとは少しずつ顔の見える関係でできると思うんだけど、それができていないのなら、事業所の方針がないんですよねたぶん。

診療報酬や介護報酬の改定のたびに、連携に関する部分の評価は高まっている。
退院支援指導加算、退院時共同指導加算だったり、病院では入退院支援加算だったり。いろいろな部分で金額が十分かどうかは別として少しずつ評価はされている。そういった部分のシステムの構築だけではなくて、事業所側も少しずつ変わっていくことが必要だと思うのです。

連携は、スタッフ任せや人柄任せではないと考えています。

事業所内での連携や事業所外での連携は、立派な業務だと思うからこそ、事業所としてのルール作りや連携に対しての方針作りが必要なのだと考えるのです。

お問い合わせなど

ブログやSNSまとめ

コメント

タイトルとURLをコピーしました