お問い合わせのページから通所業務に関わっている看護師さんから連絡が入った。
「通所のリハスタッフが送迎業務への関与を拒否しているがどう思いますか?」
というような感じの問い合わせでした。
個別でお返事は出しましたが、ブログでも取り上げておきます。
私は関わっていた
老健で7年ほど勤務していました。
老健に異動した時30才くらいでしたが当時免許を持っておらず、送迎に関わる必要性を感じたので免許を取りに行きました。
老健時代の経験から言うと、リハスタッフが送迎関わるのは「あり」だと思っています。
送迎業務で嫌なこと
訪問や通所業務でバイクや車を利用していると一番困ることは、違反切符の点数が自分の免許に対して執行されること。
僕はバイク移動で一時停止義務違反で切符を切られました。
きちんと運転すればいい訳ですが、駐車違反とかもねえ。
事故とかも嫌です。だけど、それは正しく車両を運転していても後ろから追突されることもあるわけですよね。
でも事故にあうということに関して言うと、リハ職だからとか介護職だからということとは全く関係ない。それなら職員みんな運転するの嫌ですよ。
2種免許持っている職員を雇用している事業所もあるようだけど、それでも事故を100%防ぐことは出来ない。
メリットとデメリット
リハ職が送迎業務に関わるメリットやデメリットは他のコラムにも書いたけど改めて書いてみる。
メリットみたいなこと
車の乗降の評価
タクシーとか福祉車両を普段から使っている利用者さんはいるので、送迎者の乗降の動作の評価はけっこう通所でのリハプログラムの検討に役に立つ。
自宅の評価
特に玄関周りの出入りの評価は重要です。転倒予防のための検討にもつながる。
また、自宅周辺の環境の評価ができます。交通量の多い所に住んでいるのか、坂道の多い場所なのか?人通りは少ないのか多いのか?そんな地理的環境によって必要とされる歩行能力は異なるので、通所リハでのプログラムに反映できるはず。
同居家族のこと
玄関に出てきてくれる家族さんとの会話とか関わりも評価になります。老老介護の場合、同居している配偶者が認知症を発症することもある。それを玄関先の会話とかで気づくことが出来れば早期発見につながる。
送迎の順番が最後だったりすると、少しゆっくりと話すことも出来たりして現在の在宅生活の様子を知ることも出来る。
利用者さんのことを知ることが出来るという視点で見ると、送迎業務から評価できることはたくさんあります。
次にデメリットみたいなもの。
通所リハ事業所を運営している事業所が老健とか診療所などの場合。
例えば送迎業務の時間帯に訪問リハを実施する、外来リハに関わるというように収益を生む業務を実施することが出来るのであれば事業所的にはリハスタッフに送迎させるより訪問業務などをさせる方が収益につながります。そう言った収益業務が可能にもかかわらず、送迎をするということはデメリットであると見ることも出来ます。
また、サービス担当者会議に出席する、ケアマネさんと通所の利用者さんのことで連絡を取る、リハマネ加算に必要なリハ会議を実施する、他機関と連携するなどなど通所リハ事業所のリハスタッフとしてやるべき業務はたくさんある。送迎をする時間をそのような業務に割り当てることが出来れば、お仕事として効率的。だから、送迎することがデメリットになる場合もある。
事業所にいるリハビリスタッフは看護師や介護職よりも少人数なことが多い。その少ないリハスタッフを効率的に運用するという視点で考えると、送迎以外にやるべきことがある場合もあるかな。
ただね送迎業務時間中に事業所に残って記録だけしてあとは暇そうにしているリハスタッフなら時間の無駄なので、送迎に関わればいい。
あと特別な想定ですが、
送迎中に気分が悪くなる、失禁してしまうということがたまにあります。自宅に戻ってからオムツ交換が必要な場合もあったりする。そんな時はリハスタッフはきっと役に立たない場合の方が多い。介護職員とか看護師さんの方がテキパキ対応する。だからいざという時に役に立たないリハスタッフを送迎車に乗せているよりは介護職員の方が役に立つ場合がある。
メリットとデメリットがあるので、天秤にかけて判断する必要がある。
リハビリスタッフは加算要員でもあるので、加算をとることのできる業務をしっかりこなしてもらうことを考えると送迎業務に関わることが必要かどうかを考えるべきだ。収益を生む業務があるならそちらに従事してもらうこともある。
だけど、送迎業務に関わる事で利用者さんの評価にもつながる場合があるので、柔軟な対応が必要。
定期的に関わるほうがいいのか、必要な状況があ場合にスポット的に関わるほうがいいのかケースバイケースだ。
スタッフみな平等なので一律に送迎業務に関わるというのであれば、そういった考え方は間違っていると思います。
業務分掌のこと
通所業務に関わるリハビリスタッフに知っておいてほしいのは、病院業務と通所業務でリハスタッフの役割は異なるということだ。
通所事業所に勤務したのであれば、通所事業所の業務範囲を把握しておくべきだ。回復期リハ病棟でレクレーションしないかもしれないけど、老健では餅つきとかクリスマス会とか行事は多い。そんな行事も
「リハビリの仕事じゃありません」
ってこと言うべきなのかな?施設の行事にはみんなで協力してほしい。
そう言った意味で考えると
リハ専門職だけではなくて、事業所に勤務している職員それぞれの業務分掌をきちんと設定することが必要だ。
そうしてその業務分掌をきちんと職員に話したうえで業務させるべきだ。
仕事はイメージでするものではない。なんとなくリハ職がすべきことのイメージだけを持って業務しているから、そのイメージにはまらないことを拒否する職員もいるようだ。
自分で勝手にイメージしていることと、実際に従事しなければならない業務的役割とは異なる。
マンツーマンリハビリだけがリハ職の仕事だと思っているリハスタッフは間違っている。
こんなお話をリアルに聞いてみたい方はこちらからどうぞ
⇒⇒講演依頼のこと
2018年4月開催の研修会のお知らせ
⇒2018年4月研修会 2018年トリプル改定から考える「2025年に向けて実践すべきリハビリテーション」
気に入ったらフォローしてください
Twitter
フォロワーさんは150名くらいです
⇒https://twitter.com/yamada_ot_labo
Facebookページ
フォロワーさんは2000名くらいです!
⇒https://www.facebook.com/yamada.reha.labo
私が書くもう一つのコラムサイト「note」
フォロワーさんは200名くらいです!
⇒https://note.mu/yamada_ot/
やまだリハビリテーション研究所のLINE@を開設しました
ID検索の場合は
@yamada-ot.com
(@を含めて検索してね)
【↓↓週末にゆっくり読んでみてください↓↓】
2018年同時改定直前マガジン
(スポンサー広告)
コメント