5月になりましたが、リハビリテーションマネージメント加算に必要な利用者さんの居宅の訪問はきちんと行えていますか?それともまだ準備が整っていなくて実施できていませんか?訪問リハビリに従事する立場から、利用者さんの居宅訪問で見るべきポイントについて書いてみた。
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居宅訪問の基本的考え方
居宅訪問は算定のためにとりあえず訪問だけすればいいっていうものではありません。訪問して得られた情報をもとに、本人さんやご家族に生活するうえでのアドバイスをしたり、関係機関やケアマネさんに助言したりするために行います。
だから、訪問してお茶飲んで帰ってくるくらいなら訪問しなくていいんです。
訪問リハビリのスタッフのかたなら居宅の訪問はあたりまえですが、通所リハビリテーションや、通所介護のセラピストのかたは、居宅の訪問は不慣れかも知れませんね。玄関回りしか見たことがないってスタッフも多いのではないでしょうか?
通所スタッフの居宅訪問のポイント
ではどんなことをチェックすべきかというポイントについて、まず送迎スタッフから送迎時の様子を確認しましょう。送迎のスタッフさんが困っているような経協があれば、そこは改善する必要がありますからね。
送迎中心に考えると、基本的なチェックポイントとしては
- 玄関
- 玄関から居室までの動線
- 居室の様子
まずはこれを確認。
そうしてから、トイレや風呂等の生活スペースの確認です。
玄関まわりの動線
玄関や上り框(あがりかまち)の移動はスムースに行えますか?
日本家屋は建築基準法などにより戸建ての場合、玄関まわりには必ず段差があります。何らかの障害を持っている利用者さんの場合、ここをスムースに出入りできるかどうかが外出の機会が増えるかどうかにつながってきます。
手すりやスロープなどの設置を検討する必要が生じる場合もあります。
また、玄関に腰を掛けるスペースがあれば片麻痺の利用者さんでも靴の着脱などが行いやすくなります。
玄関での出入りが難しい場合、裏口や勝手口を利用したほうが都合が良い場合もあります。家屋状況によっては縁側などから出入りしてもらった経験もあります。
借家などで改修が困難な場合は、送迎時のスタッフや訪問ヘルパーさんなどの人的資源の利用も検討すべき課題となります。
その場合でも、具体的にどのような介助方法で出入りを行うかという検討が必要になります。
トイレ
トイレで確認しているポイントは
- 扉の開閉も含めたトイレへの出入り
- 立つ、しゃがむ動作の安全性
- ズボンの上げ下ろし
- お尻を拭く
- 水を流す
これらの動作について確認します。
- 1人動作が可能かどうか?
- 介助する部分はどこか?
- どのように介助するのか?
- 手すりの取り付けは必要か?
- 便座の補高は必要か?
トイレが狭い場合は、手すりをつけるとさらに狭くなる場合もありますので注意が必要です。
便座の補高は立ち上がりやすさを助けることもあります。また、便座が低すぎると「ドカッ」っと座ってしまって圧迫骨折になる可能性もあるので、それを防いでゆっくり座るためにも補高が必要なケースもあります。
自宅トイレの利用が難しい場合は、ポータブルトイレの導入などを検討します。
その際も「トイレの利用が難しいから、ポータブルを使う」っていうような単純な検討ではなく、ポータブルトイレの設置場所や機種の検討なども併せて行う必要があります。
風呂
デイケアやデイサービスで入浴しているから、風呂のチェックは不要っていう利用者さんもいます。
自宅でも入浴する場合は必ずチェックしましょう。
障害があっても一人で入浴される方の場合は、風呂場で倒れてしまった時に浴室の扉を開けることができるかどうかのチェックが必要です。扉を外側から丸ごと外すことができるタイプの中折れ戸もありますので、確認してみましょう。
浴槽の出入りについても確認しましょう。
- 浴室の出入り
- 浴室での洗体動作時の姿勢保持、座位の安定性
- 浴槽への出入り、浴槽内での立ち、しゃがみ
- 脱衣室での更衣
チェックしたいのはこんな感じかな。
この記事を書いている5月くらいからは日中の気温が上がってくる季節なので、入浴に関するADL指導は行いやすくなってきますね。浴槽への出入りが難しい利用者さんでも、シャワー浴なら何とかなる場合は今の時期は風邪をひきにくい気温なので入浴練習するにはぴったりなんですよ。
居室
ベッドのあるお部屋のチェックもしておきましょう。
他の部屋からの移動の時の動線の確認や、ベッドへの移乗方法、ポータブルトイレを設置している場合は移乗動作の確認などもしたいところ。
利用者さんによっては、仏壇の位置やテレビの位置の確認が必要な場合もあるのでそういったことも確認しましょう。
関係者への助言
居宅訪問の最大の目的は
- 本人、家族へのアドバイス
- ケアマネや関連事業所のスタッフへのアドバイス
これが最大の目的です。
わかりやすい言葉で、具体的に伝える工夫をしてください。加算を取る為だけの形式的な訪問にならないことを願います。
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