患者さんから
「あんたのおかげでだいぶ良くなったわ」
って言われたり
他職種のスタッフから
「リハビリのおかげでだいぶ良くなりましたね」
って言われたりしたらどうしますか?
私は生活期リハの現場で働いている臨床経験28年目、非常勤掛け持ちの作業療法士です。
昔と今の違い
作業療法士としてデビューした20代のころは素直にうれしかったですよ。スタッフルームで小躍りしたり、ニヤニヤしていた自分がいました。
今でも「あんたのおかげで良くなったわ」って言われると素直にうれしいなって思います。
だけど、客観的に考えてみると
担当している患者さんが私の関わり以外何も医療的なリハビリテーション的なサービスを受けていないってことはほぼない。主治医の診察もあるし介護保険でほかのサービスを利用していたりもする。
作業療法以外に患者さんの状態を改善するための介入がどこかにある。
とくにADLが多少なりとも自分で遂行できる患者さんの場合は、本人が実践しているADLや生活行為や自主トレとかホームエクササイズなども患者さん自身の状態を改善することにつながる。
そうなると
私が実践している作業療法の関与だけで良くなったわけではないと、捉えるようになってきた。
作業療法士の関与で良くなった部分もあるかもしれないけれど、ほかの要素や支援や関わりで良くなった部分もある。
そう考えるようになってきました。
どう返すか
「あんたのおかげで良くなってきたわ」
言われた時には
「○○さんが普段からいろんなことに頑張っているからですよ! 最近はお家での生活はどんな感じですか? そういえば趣味の〇〇は最近やってますか?」
って言葉を返すようなことが多い。
- 自主トレどうですか?
- そういえば○○の通所の方はどんなことやっていますか?
- 最近はお出かけして貼りますか?
みたいなことも確認するようにしたりする。
- 活動範囲が広がっているかどうか?
- 他のサービスの利用状況はどうか?
- 家での生活スタイルは変わってきているのか?
どういったポイントや変化を実感して
「最近よくなってきたわ」
ってことを感じているのかってことを確認したいからいろんなことを聞くわけです。
同じようにケアマネさんや多職種さんから「よくなってきましたね」って言葉をいただいた時にも
「どんな変化を見て良くなってきたと感じているのか」
ってことは確認しています。
そのようなことが、次の目標設定や現在の目標に対しての到達度合いの確認につながるからです。
自分の関与と他者の関与
作業療法士として私が関わる患者さんには少しでも改善してもらいたい。
だから自己研鑽はしっかりとします。
しかし、患者さんが良くなったことがすべて自分のおかげであるというは錯覚とか誤解だし、そのことを自慢することはあまり意味がないと感じます。
むしろ「状態が今より良くなるように支援すること」という作業療法士のミッションとか使命であり、そういった結果を出すことは「当然のこと」でしょう。
自慢すべきことではない。
こっそり喜んだりすることはあるけどね。
興味ある方はお気軽にお問い合わせください。
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