先日の投稿で「訪問リハビリテーションからの卒業」をテーマに書いた。いただいたメッセージによるとすでに実践している事業所もあったりするようだ。だけど、実践することでトラブルになっている事業所もあるような内容のコメントがあったので、書いてみる。
前回書いた記事っていうのはこちら
⇒訪問リハビリテーションの卒業に向けた取り組みに必要なこと
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終了にまつわるトラブル
いただいたコメントによると、最も多いのは
- 終了することが前提のサービスを積極的に展開すると、ケアマネジャーさんが終了しない他の事業所に依頼をかける
- 何故終了するのか?っていう問い合わせが関係者からある
終了するってことを理解してもらえないってことですよね。
訪問リハビリの終了に積極的に取り組んでいる事業所の方からのコメントで印象的だったのは、
「同じ法人内からの依頼よりも、他事業所からの訪問依頼の方が多くなってきた」
っていうコメント。他事業所のケアマネの方が訪問リハビリ終了に対しての理解があるってことだよね。
サービスの適正化
という記事でも書きましたが、税収がどんどん少なくなる日本においてサービスの適正化っていうのはものすごく重要な課題。
だから、報酬改定でもこんなパターンが登場する
- 報酬単価を下げるけど、いいことしている事業所には加算を算定できるようにする
- 生活行為向上リハビリテーション実施加算のように期間限定の加算がある
診療報酬にしろ、介護報酬にしろ単価は少しずつ下がっている。だけど、事業所の運営体制が整っていれば加算をつけるとかっていう風にして、単価は下げるけど、しっかりしているところには加算をつけますよってことで、事業所の運営にメリハリというか良いサービスの提供には応えるっていうスタンス。
もしくは、期間限定で使うことのできる加算。
全体としては報酬は下がるが、頑張ればなんとなするよって感じなんですよね。
そうして、サービスを提供する側も自助努力として、サービスの適正化を行う必要がある。売り上げだけに固執するのではなくて、不必要なサービス提供は終了して、必要な人に必要なサービスを提供する努力をする必要がある。
だから、訪問リハビリテーションの卒業に取り組んでいる事業所は積極的にサービスの適正化を図っているっていう点で、国の方針にマッチしているといえる。
そういったことを理解しないで、終了することに理解を示さないケアマネジャーがいるっていうのはおかしな話っていうか、理解のないケアマネジャーだなって思う。
じゃあ、訪問リハビリテーションの卒業に積極的に取り組んでいる事業所は損なのか?っていうとそうはならないと考えます。
先行者利益を受け取れる
先行者利益についてはnoteのサイトに書いている。
⇒先行者利益というか先行者効果について考える
時代の先頭を走っている事業所は常に先行者としての利益を受け取れるポジションにいるってことだ。
この訪問リハビリテーションの卒業とか訪問リハビリテーションの終了っていう問題、これはおそらくこれからクローズアップされてくる。
適正な訪問リハビリテーションの在り方は、
必要な時期に必要なサービスを必要な期間提供する
ってことだ。
もし厚生労働省の審議会とかでこの問題が取り上げられることがあれば、
- サービスの平均利用期間
- サービス提供終了者数(死亡による終了を除く)
などを指標にして、訪問サービスの単価に格差をつけたり、加算で差をつけるようなことになるでしょう。
ダラダラリハビリを提供している事業所よりも、しっかりと目標を設定してサービス期間を明確にして必要なサービスを提供している事業所の方が収益的にメリットがあるような改定は十分に考えられるシナリオだ。
そんな改定が行われた場合、今の時点でそういった対応をきっちりしている事業所は慌てることなく通常業務を続ければいいだけだ。
だけど、対応していな事業所は訪問リハビリの卒業っていう問題に一から取り組まなければならない。一律に期間を決めて終了するようなことをすれば、一斉に利用者は離れるだろう。
そう、今の時点では訪問リハビリの卒業っていうのは収益としては大きな問題にならない。
だけど診療報酬や介護報酬の改定でどうなるかっていうのは誰にも予測できない。
だけど、そうなってしまったら今実践している事業所っていうのはしっかりと先行者利益を受け取ることができるんだ。
そう、常に先頭を走るっていうのこういうことでしょう。周囲から正しい理解を得ることは難しいかもしれないけれど、正しいことを実践していればあとからまわりが追い付いてくるってことだ。
でもまわりが追い付いてくるころには、もっと先に行くことができているでしょう。
先行者利益だ
訪問リハビリの卒業に取り組んでいる事業所は、ためらうことなく突き進んでほしい。
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