医療保険や介護保険のサービスの一つとして、訪問リハビリテーションがあります。これから利用を検討されている方やそのご家族さんも多くいると思います。当事者さんの思いとしては、なるべくたくさんの時間リハビリテーションを利用したいと考えているかもしれませんが、長くサービスを提供することが必ずしも「良いサービス」とは限らないということを書いてみたいと思います。
筆者はリハビリテーションに従事する作業療法士です。30年超の経験がありそれらの経験をもとにコラムを書いています。
良いサービスとは何か?
介護保険によるリハビリテーションはおおむね訪問の時間が決まっています。20分、40分、60分くらいを目安にしています。
40分で利用することになったサービスだと、だいたい自宅に入ってからサービスの提供開始となります。
私も作業療法士として訪問リハに従事していますが、1日に数件の訪問にかかわっているため、おおむね40分の利用者さんには40分の訪問リハを実施します。
時間のことに着目すると、40分で契約したのなら、40分のサービスを提供することが必要です。たまに、利用者さんが突然外出するとか、疲れたとの理由で40分以下になることはあっても、基本的には40分提供することが良いサービスと考えています。
時間を延長するスタッフ
時々いるのですが、40分の契約なのに50分とか1時間くらいのリハビリを実施するスタッフがいます。
これは利用者さんの側から見れば一見親切で良いサービスを提供しているように見えるかもしれません。
私の同僚がこのようなことを繰り返し行っているようなら注意をします。
私の日々の業務でも、たまにハプニングがあったりしてサービスの提供時間が40分を超えることはあります。イレギュラーな出来事です。
でもそうではなく、自分のスケジュールに余裕があるからと言っていつもいつも40分を超えるサービスを提供するようなことをするのは実はよくないサービスだと思うのです。
基準やルールを守る
40分の訪問をきちんと行うスタッフと40分以上のサービスを提供するスタッフが、同じ利用者さんを担当することになった場合、利用者さんや家族さんは、どちらのスタッフのことを「良いスタッフ」と感じるかというと当然ながら、40分以上サービスを提供するスタッフだと思うのです。
だけど、ルールを守っているスタッフは実は40分できちんとサービスを終了するスタッフなのです。
悩ましい問題かもしれませんが、ルールとして時間の決まったサービスを提供する仕組みがある以上、チームの和を乱しているのは40分以上のサービスを提供しているスタッフなのです。
私たちが介護保険や医療保険で提供する訪問によるリハビリテーションは時間の決まったもなのです。短くするのはルール違反ですが、必要以上にたくさん提供することも問題なのです
特に事業所としてチームでかかわっている以上はきちんとしたルールを守るべきなのだと考えています。
利用者さんの側にメリットがあっても、それがルールを逸脱した過剰サービスであるなら問題だと思います。
適切なサービス提供の在り方
訪問リハビリテーションは、自宅で提供するサービスです。
病院のリハビリテーションのように誰かが見ているわけではありません。
だからと言って何でも自由にやりたいように実践すればよいということではありません。
適切なリハビリテーションの提供が必要だと考えています。
===以上 本文===
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