コラムを書くだけではなくて、実際に病院に出向いて病院で定期的に開催されている症例検討会に参加してアドバイスをするというサポート業務を開始しています。
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学会とかではなく現場の症例検討会に参加するのは久しぶりです。だから、いろんな意味で新鮮。でも、地域の現場で働いている立場からすると、病院でなんでそんなことしてんの?みたいなことも多い。
だけど、他の病院の状況も同じようなもんだろうから少しそのあたりのことをここでも書いていきたい。
今回のケースは、計算する能力のことを書いてみます。
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高次脳機能が問題点
運動機能の問題は少なくて、高次脳機能に問題があるってケース。
確かに検査結果だけを見ると
- 記銘力の低下
- 動作が拙劣
- スケジュール管理ができない
- 計算能力が低下
等などいろいろと課題があるようです。だけど、いくつか問題となることがあっても第3者に迷惑をかけるような問題行動はないようでした。
地域の現場目線で退院後課題になりそうだったのは
- 70代で年金暮らしで独居
- 服薬管理ができていない
1人で暮らしていかないといけないんですよね。
記銘力の低下で気になるのは、外出した時に帰宅できるか?
新しい場所に行ってもきちんと道を覚えて帰ってこれるのかってことでした。
理学療法士さんとの屋外歩行ではきちんと病院まで戻ってきているようですし、作業療法士といった近所のスーパーでは「出口がわからなくなる」とかっていった問題はないとのことだったので一安心。
でもね、担当作業療法士は、
レジできちんとお金を計算して払えない
ってことを問題点として上げていました。
計算する能力
レジで言われた金額と財布から出す金額が合わないとか、小銭数えたりすることがスムースにできない。
それってどれくらい生活するのに必要な能力なんでしょう?
レジでお金を支払わないといけないってことは理解できているんですよね、このケース。
レジで財布からいる分だけを店員に抜いてもらう
ってすれば解決するんだと思うんですよね。
財布からお金をちょろまかすような店員さんにあたることなんてほとんどないと思います。
子供にお使いを頼むときには、そんな感じですよね。
計算能力に問題がある患者さんに、学校の宿題みたいな計算問題のプリントさせたりすることが必要な場合もある。だけど、生活する能力のことを考えると、他にも解決する方法はたくさんある。
検査で能力に低下があるからといってそこにこだわるよりも、生活することに影響があるかどうかが問題なわけですよね。検査にいっぱい問題があっても生活することに問題のない人はたくさんいる。
だからこのケースでは計算能力よりも、服薬管理の方がよほど大きな課題。
1人で生活しながら服薬をきちんとしないといけないからね。
この課題については、ケース検討会に参加してくれていた病棟師長と協力して取り組むことにしました。
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