接点があるようで実は、あまり連携ができていないのが現状なんだろうと思う。リハビリテーション専門職ってどうしてこうなっちゃうんだろう。専門性を発揮するとか何かを極めるみたいなことには熱心な人が多いんだけどなあ。連携ってそんなに難しいんだろうか?
だけど、2025年に向けてはいかに病院と地域が連携をしていくのかってことが必要になってくる。
(スポンサー広告)
病院と地域のリハビリ
厚労省の資料で分かりやすく整理されている。
医療と介護の連携に関する意見交換会(第2回)議事次第からの引用です。
⇒リハビリテーション 参考資料
医療と介護の連携については、病診連携、病介連携などといった感じで研修会などでも取り上げられることが多くなった。
最近では多職種連携の推進をテーマにした研修会や取り組みも増えてきている。
ただ地域リハビリテーションの現場で働いている作業療法士の現場感覚での実感で言うと、そういった取り組みの多くは看護師さんが主流になっているというのが正直な感想だ。僕の同僚の訪問看護ステーションの看護師と話していても、看護師は病院にがっちり食い込んでいる、もしくは食い込もうとしていたり、病院にしっかりと伝えなければならないことがたくさんあるようだ。
看護の視点での病院側の退院支援のあり方を地域の訪問看護ステーションの現場から伝えることの必要性を理解している。
それに比べてリハビリテーション専門職の連携ってどうなんだろう。
情報交換だけじゃあダメ!
サマリーを中心とした情報交換がリハビリテーション専門職の連携の中心じゃあないのかな。
いわゆる患者さんの情報の伝達だけだ。
病院⇒地域にしろ地域⇒病院へのサマリーにしろ、その時点ですでに終了しているリハビリテーションの情報交換なわけですよね。
これからの時代の病院と地域のリハビリテーションの連携はそれだけでは不十分なんだ。
これから必要になってくるのは引き継ぐ先でのリハビリテーションをより効果的に進めるために必要な連携なんだと思っています。
病院から地域へリハビリテーションを効果的に引き継ぐためには
- 退院後のリハビリテーション資源を病院リハが知っている
- 退院後に患者さんがやってみたいこと(活動や参加)をきちんと病院リハが把握している
- 退院後の生活のあり方について、家族とリハスタッフが話し合えている
- 退院後の介護保険のリハビリテーションサービスについてケアマネと話し合えている
病院のリハビリテーション専門職が、退院後の患者さんの生活をどれくらい考えながら入院リハビリテーションをしているのかってことが必要になってくる。
病院で実施するリハビリテーションは当然ながら入院期間が限られている中で実施されるものだ。
そんななか、自宅復帰や家庭復帰っといったような画一的な目標設定ではなく、より患者さん自身の個別性を考慮した目標設定がなされていないことには、退院後の生活のことを考えたリハビリテーションを実践することはできない。
だけど、こういったことを考えながらリハビリテーションを実践している病院リハビリテーション専門職は少ないだろう。
だから地域と病院リハビリの接点が必要になってくる。
地域を知れば病院のリハビリが変わる
患者さんはやがて地域に帰る。
自宅に戻ることが出来なくても、自宅に近い場所にある老人保健施設等に転所する。病院ではなく自宅もしくは自宅に近い場所に戻っていく。
常に言っているように、回復期リハビリテーション病棟を中心とした病院リハビリテーションは地域リハビリテーションのスタート地点なんだ。
自宅に戻ることを意識することが出来ている病院リハ専門職は多くいる。
自宅の間取りのことを把握している回復期リハスタッフもたくさんいる。
だけど
- 自宅の周辺の道路事情、坂道が多いとか住宅街なのかとかは知っているんだろうか?
- 退院後の患者さんや家族さんの生活パターンとかは知っているんだろうか?
- 自宅の中でベッドに臥床がちにならないように、活動するための工夫をアドバイスすることはできているだろうか?
- 退院後に利用することが出来る地域リハビリテーションの資源を知っているだろうか?
退院後の生活をよりリアルにイメージして、退院後の生活にソフトランディングさせる事ができるための手段や方法を持っている病院リハビリテーション専門職はどれくらいいるんだろうか?
おそらく少ないでしょう。
こういった「患者さんが戻ることになる地域のこと」をきちんと知っていれば、病院のリハビリテーションはもっと変わるはず。
もっと、患者さんの生活に必要なリハビリテーションが展開できるはずなんだ。
だけど、そのためには地域で働いているリハビリテーション専門職の関わりが不可欠なんだ。
その地域から病院のリハビリテーションを変えるための仕掛けについて
⇒【リハビリ】地域で働くリハビリ専門職が、病院リハビリを変えるためのすべきこと
に書いていますので是非お読みください。
(スポンサー広告)
コメント