作業療法士としてこの記事は書くべきではないのかもしれない。だけど、おそらくこれが現状なのでしょう。どうしたらいいのかなんてわからない、けど地域に出てくる人がいないとどうにもならない。ある意味「いけにえ」みたいなものなのかもしれないね。
(スポンサー広告)
認知症初期集中支援チームのこと
認知症初期集中支援チームのことはこちらでご覧ください
⇒ 認知症初期集中支援チーム(厚労省のサイトのPDFが開きます)
作業療法士の方で、もしくは地域リハビリテーションに関わっている方で認知症初期集中支援チームっていう言葉を聞いたことがない方は、時代にマッチしていません、すぐに調べてみてください。
具体的に何をしているのか知らない方は多いと思います、だけど名称すら知らないって方はちょっとダメ。
作業療法士にとって追い風か?
認知症に対しての自治体の取り組みは喫緊の課題だと思います。
モデル事業⇒モデル事業の拡大⇒本格稼働っていうパターンで取り組んでいる自治体が多そうです。一部の地域で先行して開始して、それを自治体内に広めるっていうパターン。
認知症初期集中支援チームも同じで、僕の住んでいる自治体でもモデル事業として開始され、徐々に地域が拡大しています。
それに対して、チームの中で作業療法士を雇用しようという動きも活発になっていて、自治体のホームページなどで求人情報が出るようになってきました。
職能団体への問い合わせなどもあるようです。
じゃあ、このような一連の動きは作業療法士にとって追い風なのでしょうか?
職能団体としてみれば追い風だと思います。
だけど、風が吹いているってことと、その風にのって巧みに進んでいくってこととは違う。
求人に誰かが応募して、それなりに結果を出して、その結果に基づいて新たな求人が出て、さらに作業療法士が雇用されて地域で作業療法士の需要がさらに高まるってことを期待しています。これが、追い風にのっているってことでしょう?
だけど、求人が出てもそれに応えられていない地域が多いようです。
認知症初期集中支援チームでの専門職の雇用としては、必ずしも作業療法士ではなくても良いので、看護師とか保健師さんとかの求人も出ています。
自治体としては、チームが稼働することが重要なミッションなので、求人しても作業療法士が応募してこなければ他職種で充当するっていうのは当たり前ですよね。
職能団体がどうとかではなくて・・・
ここから先は、全くの個人的わがままな見解です。
地域や自治体が求人を出しているのに、それに応える人材がいないことに対して、
職能団体としての、協会や県士会は何をしてるんだ!
って言う人もいるでしょう。でもね、協会や県士会は合議する団体なんですよ。タイムリーにスピード感を持って動くことのできない団体なんです。
年間の事業計画とか予算案とかもあるからね、何でも勝手にやっていいっていう団体ではないのですよ。
特に地域とか自治体レベルのことになると、情報をフォローしきれていないことも多い。
だから、この件に関して協会や県士会レベルでの動きを期待するっていうのは間違っている。
その地域の個人や病院の課題
県士会とかではなくて、作業療法士としてどう考えるのかってことの意味合いも大きい。
現在の作業療法士業界というか、リハビリテーション業界の地域リハビリテーションっていえば、ようやく
老人保健施設や訪問リハビリテーションに関わるようになったってレベルでしょう。
それなのに、さらにその先の事業である認知症初期集中支援チームに関わっていこうっていう意思表明できるセラピストはかなり少数派。
その少数派は人数がかなり少ないので、認知症初期集中支援チームの求人に応えるには足りない、極端に少ないんですよね。
だからその求人は他職種にとられる。
むしろ求人の出ている地域にある病院や個人がどうそれに対応するのかってことだと思うんですよね。
病院として自院のセラピストを派遣するとかっていうstyleもあると思うんですよね。
地域に出るセラピストが少なすぎる
ようやく訪問、ようやく老健っていうレベル。
それでも、1人職場に就職しようっていうセラピストは少ない。セラピストが複数いる訪問や老健に集中する。
認知症初期集中支援チームのように、一人ぽっちの職場に行ってやろうってセラピストはほぼいない。
僕は訪問看護ステーションで1人職場で働いているけど、不自由はない。だけどそんな立ち位置にいるのは少数派。
1人で地域に出てやろうっていうセラピストが少なすぎる
5年後とか10年後とかセラピストの多くが地域に目を向けるようになった時には、リハビリテーション専門職種が地域から必要とされなくなっているってパターンを想定している人はどれくらいいるのかな?
僕はそのことをものすごく危惧している。
このままじゃアウトだ!
先行者利益は他の職能団体や他の職種が持って行ってしまう。
「経験者とは何年経験したらそう呼ばれるのか」って記事でも書いたけど、新人でも経験者でも専門家なんだよ。
その専門家として求められているのに、応えられないと先行者利益はなくなってしまう。
こんなお話をリアルに聞いてみたい方はこちらからどうぞ
⇒⇒講演依頼のこと
最近始めました
⇒⇒やまだリハビリテーション研究所のnote
コメント