回復期リハビリテーション病棟で働いている看護師の嫁さんから聞いた話をもとにちょっと書いてみたい。
質問をした側、それを聞いた側で行き違いがあるようだ。
きちんと質問できない方に問題があるし、質問を聞いた方もきちんと考えてから答えるべきだ。
そもそも、お互い間違ってるよ
回復期リハビリテーション病棟でのことである。嫁さんから聞いたおおよそのやり取りはこんな感じ。
看護師が鼻腔注入している患者さんの座位姿勢について、担当の作業療法士に質問した。
看護師:注入の時の姿勢について何か工夫すべきことありますか?
作業療法士:注入のことなら言語聴覚士に聞いてください
看護師:・・・・・
看護師さんの質問の仕方も間違っているし、作業療法士の他職種任せの対応も間違っている。
こんなことだからきちんとした連携が回復期リハビリテーション病棟で行われていないんだろうなあ。
おそらくこんな風な、看護師さんとリハビリスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)とのすれ違いは回復期リハビリテーション病棟という現場のあちこちで見られるんだと思います。
この質問のやり取りの本当のところ
看護師さんは、
なるべく座位の時間を増やそうとしていて、注入の時間も座位にすることでその時間を確保できないかと考えていたようだ。だから、安定した座位を確保するには車いすでのポジショニングとかの工夫をすべきと考えて、作業療法士に質問をした。
ところが作業療法士は
注入に関することは言語聴覚士がかかわっているから、自分が答えるよりは言語聴覚士に聞いてもらった方が適切な回答がしてもらえると考えたのでしょう。
本当なら
看護師さんは
「座位の時間を増やしたいので、注入の時間帯も座位をとろうと考えています。安定した座位をとるためにポジショニングなど工夫することはありますか?」
と聞けば、作業療法士もポジショニングの工夫のアドバイスをしたものとよそされる。
一方作業療法士は
「注入の姿勢のことで・・・・」と聞かれたときに、すぐに言語聴覚士にまわすのではなく
「注入の時の姿勢はどんな姿勢で行っていますか?
その姿勢で何かトラブルとがあって姿勢を工夫するのですか?」
というように、そもそも看護師さんがなぜそのような質問をしてきているのかってことをしっかり考えてから返答すべき。
困っているから看護師は質問してるんだよ。困ってなくても現状をもう少し改善しようとしてるからアドバイスを求めているってことに気付かないとダメなんだよ。そこで、何で他職種に話を回そうとするのかなあ?
連携するってことの意欲が感じられないよ。
質問されるってことは連携のチャンスなんだよ!
せっかく作業療法士は看護師に質問されているんだよ。それは、回復期リハビリテーション病棟で看護師さんがリハビリテーションスタッフと連携しようとしているから質問するんですよ。
それを他職種に話を振ろうとすることはもったいない。最終的に他職種に任せるにしても、まず現状の確認とか、何が問題なのかとか質問を発したことの意図を確認すべきだ。
せっかく質問した看護師からしてみたら
多職種に振るくらいならこれからは作業療法士はあてにしないでおこう
って勘違いする看護師さんもいるはず。
こうした、小さな勘違いや、誤解が繰り返されることで、回復期リハビリテーション病棟における理学療法士や作業療法士、言語聴覚士と看護師さんや介護職の連携は崩壊していくのだろうってことが容易に予想できる。
質問する側も適切な質問をするようにレベルが上がらないといけないが、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士はせっかくのチャンスを逃さない工夫をしてほしい。
看護師さんから質問されることはチャンスなんだよ!
そこんところをしっかりとわかって行動してほしい、せっかくのチャンスを棒に振るなんてもったいないんだよ。
質問されている間はまだ連携の可能性がある。質問もされないようならそれはあきらめられている。
あなたが看護師ならこちらのサイトもどうぞ
・看護とリハビリの連携を考えるサイト 看護―リハビリ LABO
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