開業したら稼げるのではないかと考えている、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は多いのではないでしょうか?介護保険の訪問業務なら1件当たりの単価がはっきりしているので、訪問件数からはじき出した合計金額と今のお給料とを天秤にかけている人もいるのではないでしょうか?でも、開業するってことはそんな計算だけでは通用しないのです。
訪問件数×単価で考える夢のような報酬
ある程度経験を積んだ理学療法士、作業療法士、言語聴覚士なら、一体いくらぐらいの給料が自分にとって妥当な給料であるのかってことを考えるようになるのではないでしょうか?
たとえば、介護保険での訪問リハビリを考えてみると・・・
介護保険による訪問看護ステーションからの理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の訪問の単価は
20分で316単位なので40分で632単位
単純に計算するために1単位10円としましょう。(ほんとは10.〇〇円というような端数になります)
40分の訪問リハビリで6320円の売り上げ。これを1日に8件行えば
6320円×8件=50560円となります。1か月で20日勤務したとすれば
50560円×20日=1011200円
なんとあなたの1か月の働きによる売り上げは単純計算にして100万円を超えることになります。あなたの今の月給はいくらくらいですか?100万円超えていますか?
こんな単純計算をして、安易に起業・開業しようとしている理学療法士、作業療法士、言語聴覚士さんがいるようです。あなたもこの数字を見て、今勤めている病院を退職して訪問看護ステーションの経営をしようと思いますか?
これだけ儲かるのなら、訪問看護ステーションの経営してみる?
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士でも訪問看護ステーションを経営することはできます。法律的に経営者になることは認められています。
看護師さんを常勤換算で2.5人以上雇用する必要があります。
でも先ほどの計算のように、セラピスト一人で100万円以上の収入があるのだから、何とかできるのではないかと考えたりしていませんか?
セラピスト5人で1日8件の訪問をすれば、1か月で500万円の収入になる。セラピスト5人、看護師3人に一人当たり50万円の給料を毎月出しても
8人×50万円=400万円
500万円ー400万円=100万円の利益が生まれる
売り上げと人件費だけの計算なんてあり得ない
これまで示してきた数字は、全てのスタッフの訪問スケジュールがびっしり埋まっていて、利用者のキャンセルが1件もなく、確実に売り上げがある事を想定しての数字です。実際はこんなことあり得ないですね。
それに、支出が人件費だけの訪問看護ステーションというのもあり得ません。
あなたは自分の給与明細を見たことがありますか?厚生年金とか健康保険とかが天引きされていますよね。訪問看護ステーションの場合も病院と同じなのですが、従業員の厚生年金とか健康保険に対しては事業所もその負担をしています。あなたの明細に書かれているのと同額をあなたの勤務先も払ってくれているのです。
事業所の、賃貸料や光熱水費、バイクで移動するならガソリン代なんかも事業所が負担することになります。
しかも、介護保険の収入というは請求してから振り込まれるまで2か月くらいかかります。だから、少なくとも開業して2か月は一銭の収入も入ってきません。(1割の利用者負担を除く)
だけど、従業員の給料は働き始めたその日から支払わないといけません。
開業のための資金はどんどん減っていくわけですね。
マーケティングって知ってますか?
あなたが起業や開業しようとしているのはどのエリアですか?ライバルはいますか?
1日8件のお客さんを確保できるという保証はありますか?そのエリアの高齢化率を知っていますか?居宅介護支援事業所の数はどうですか?
そんな調査をしてみたことがありますか?
ちょっと努力すれば調査なんて簡単にできるのですが、その調査をしていますか?
私は訪問看護ステーションを経営したくありません
私は訪問看護ステーション2か所を非常勤で掛け持ち勤務しています。そんな経験を活かして起業したいって考えたことなんて一度もありません。
訪問看護ステーションを経営したくない理由
理由は2つあります。
ひとつは自分以外の従業員の将来にわたる面倒を見る自信がないからです。
正直従業員を雇ってその従業員の生活の安定を図るなんてことを考えたくありません。自分一人の面倒を見るだけで精一杯なんです。
もう一つは、価格設定を自分で行えないからです。
介護保険の報酬というのは国が決めています。だから自分たちでそれを上回る価格設定を行うことができません。そうすると、国の考え方ひとつであっという間に報酬が減る可能性があるのです。
そんな危ない橋を渡る自信はありません。
起業には興味があります
訪問看護ステーションを経営することには全く興味はありませんが、起業することには興味はあります。
医療保険や介護保険などとは全く関係のない分野において、ワンマン社長での企業にはものすごく惹かれています。作業療法士だからと言って、医療や介護の分野で起業しなくてはならないというものでもありません。
全く異なるジャンルでの起業も可能ではないかと考えています。
できれば、2014年はそのような可能性に向けて調査を開始する1年にしたいと考えています。
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