2015年の改定では、訪問リハビリの単価は下げられました。改定の過程においても訪問リハビリのあり方についてはいろいろ議論になっているようです。そんな、国レベルの話し合いはおいといて、そのあたりのことについて自分の主張を書いてみた。全くの私見です。
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訪問リハビリに対しての指摘
介護保険の改定で指摘されている事柄について考えてみる。
- リハビリの内容が心身機能に偏っている
これは納得できる指摘です。
心身機能だけに偏ったアプローチをするのではなく、活動や参加に対してもアプローチすべきだと思います。
- 終了時期が明確ではない
今回書いてみたいなって思っているのはこのことです。
だらだらと訪問リハビリが継続されているっていうような指摘は、昔からされている。
だけど、このことに対して強く言いたい。
私たちセラピストも謙虚にこのことは受け止めないといけないが、他にも考えないといけないことがあると思う。
介護保険の訪問リハビリは、訪問看護ステーションや訪問リハビリテーション事業所のスタッフが勝手に利用者さんと契約して行っているものではありません。
- 主治医から訪問の指示書が出ていること
- ケアマネジャーが作成する計画に記載されていること
この2点が訪問を実施するためには必要です。もちろん、この2点がないと継続することもできません。
だから、終了の時期が明確でなくダラダラと訪問を継続しているということに対して改善を図るには
セラピストだけの問題ではなく、ケアマネジャーや主治医のあり方についても検討することが必要だと思うのです。
主治医とケアマネの理解と協力
主治医からは指示書を出してもらう必要がある。
ケアマネジャーにはプランに載せてもらう必要がある。
この二つがないと訪問リハビリテーションを実施することはできない。
事業所の利益のことだけを考えてダラダラと訪問リハビリを継続するってことは問題。
だけど、リハビリテーションに対して正しい理解がなく
- 利用者さんに言われるがままのケアプラン
- 訪問リハビリの必要度が低くても指示書が出る
そんな利用者さんもいるのです。そのような利用者さんに対しての訪問リハビリテーションの必要度合いの判断の責任はどこにあるのでしょうか?
訪問の事業所? プランを組んでいるケアマネ? 指示書を書いている主治医?
ホントに訪問リハビリテーションが必要な利用者さんということの判断をするのは誰なんでしょうか?
リハビリテーションの必要度の判定
私が週1回勤務しているステーションでは、ときおり看護師と同行して
看護師のみの訪問でよいか? それともセラピストも定期的にかかわるほうが良いか?
検討するための訪問に行くことがあります。そのステーションでセラピストは私一人なので、何でもかんでも訪問リハビリするわけにはいきません。必要度合いの高い人に対して優先的にかかわる必要があります。
だから、その利用者さんに対してセラピストとして訪問する必要があるかどうか判断するために看護師と同行して評価するのです。その評価結果をもとに看護師と相談して、セラピストの関わりが必要であれば主治医や担当ケアマネに連絡をして訪問リハビリをプランにくんでもらうように要請することがあります。
ホントはすべてのケースについてこのようなパターンがあることが理想ではないかと思っています。
リハビリテーションコーディネーター
みたいな人材がケアマネジャーとともに行動できれば効率的な地域リハビリテーションを提供できると思うのです。
地域リハビリテーションをマネジメントする人材
地域でリハビリテーションをコーディネートできる人材がいれば、不必要な訪問リハビリを減らすことができると思うのです。
2015年の介護保険の改定で通所リハビリや訪問リハビリ事業所で算定できるようになったリハビリテーションマネジメント加算2で実践するようなリハビリテーション会議をもっと第3者的な立場でできるようになればいいのになって思っています。
ケアマネ事業所【居宅介護支援】に理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を配置して、ケアプランの作成時に同行して訪問してアドバイスをする。そのような取り組みをしている居宅介護支援事業所に対して加算をつけるようにすればいいのに。
- 通所リハビリや訪問リハビリの必要度の判断
- サービスの継続の可否の判断
- ケアプランの中身の検討
そんなことをケアマネさんと一緒にセラピストが、地域リハビリのマネージメントをすればいい。
そうすれば、ダラダラリハビリって減ると思うし、ケアマネジャーさんのリハビリテーションに対しての理解もアップすると思う。
これはけっして、ケアマネジャーさんの職域を犯すとかということではなく、資源の量として少ないリハビリテーションを地域で効率的に使うための建設的な提案です。
どうなんだろう。
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