まとめ方とか、パワーポイントのことや書き方とかではなく、当日舞台の上でなるべくかまずに発表することについて書いてみる。僕が実践している方法です。
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発表をまとめる段階
学会発表や研修会の講演で話す機会は何度もありました。
その経験から言えることは、
研修会の講演と違って、学会発表の6分とか8分くらいの発表で伝えられることには限界がある
ってことです。
時間が短いということは、お話するための言葉の数、文字数が少ないのです。だからよほど効果的なしゃべり方か巧みな話術を駆使しないと多くのことを伝えるのは無理ってことです。
学会発表はよほど場数を踏まないと緊張せずに話せるってことはありません。だから割り切る必要があります。
伝えたいことは1つか2つに絞る
あれもこれも伝えたいっていうのは学会発表では無理ってことです。
この発表で一番伝えたいことは何なのかってことをしっかりと吟味してください。基本的には1つの発表で伝えることは1つ。
たくさんのことを伝えるには発表時間があまりにも短いのです。
ここのところを理解していない人は多いですね。せっかくの発表だから多くのことを伝えたいんでしょうね。だけど、たくさんのことを伝えようとすればするほど、一番伝えたいことが伝わりません。
いったい何を伝えたいのか?
ってことになります。
だから発表をまとめる段階でしっかりと吟味してください。一番伝えたいことに絞るのです。
発表前2週間
発表時に抄録の原稿をそのまま読む方がいます。
あれってちょっとおかしい。書いてある文章を読んで伝える方法と、話して伝える方法っていうのは微妙に違う。だから、書いて伝えるものをそのまま読んでしまうと伝わらないとがある。
抄録を基本に話すのは構いませんが、発表用に作り替える方が読みやすい。
繰り返し繰り返し、発表用原稿を読んでください。
発音しにくかったり、言葉に詰まるような表現があるなら、言葉を置き換えたりして変更しましょう。表現方法や言い回しを変えて、すらすら読めるようにするのです。
10回、20回と繰り返し読んでください。早くもなく遅くもなくしゃべりやすい速度で読む練習です。
何度も繰り返していると、発表原稿のどのあたりで何分くらいかかるのかってことがわかるようになります。
基本的には時間ピッタリで収まるように構成してください。発表時間内に終わらないことが前提で構成されているのはダメです。
学会当日の座長とかの立場としても、ダラダラと発表時間を無視して発表されるのは迷惑なのです。
繰り返し繰り返し読んで、時間内に収まるように構成してください。
臨床経験25年の私でさえ、発表までには20回以上は繰り返し読んでいます。
発表前1週間前にやること
発表原稿をワードとかで印刷するときに、少し大きめの文字のフォントで印刷しましょう。
発表する場所とかにもよるのですが、薄暗い中発表するので原稿が見えにくくなります。だから大きめのサイズで少し行間もあけて印刷します。
パワーポイントの操作するタイミングとかも書き込んでください。
そうして出来上がった原稿でまた読む練習です。
発表当日の心構え
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方の発表で多いのは症例に関することですよね。だから、協力していただいた症例の方にも失礼のないようにしっかりと発表すべき。
だけど緊張する方も多いので、いつも私が後輩に伝えていることを書いておきます。
- この会場でその症例のことを知っている人はほかにはいません。
知っているのはあなただけなのです。その症例のことをあなた以上に知っている人はいないのです。
だから、間違っていても心配はないのです。
- 質問の時に返答に困ったら、素直に「わかりません」とか「今回は検討しておりません」とか言いましょう。
そうして、セッション終了後に質問者に話を聞きに行って今後の参考にしましょう。
無理に背伸びして答える必要はありません。発表者にもわからないことはあるんです。
- 発表するのが恥ずかしい方もいるでしょう。
だけど、発表を聞きに来ている人たちの中で、明日以降もあなたのことを覚えている人はほとんどいません。明日以降、会う人はもっといません。
だから、おかしな発表であっても大丈夫。明日以降会わない人の前で発表するのだから、恥ずかしくないのです。
- あなたが5年目くらいまでの若手なら「発表して教えてもらう」っていうスタンスで臨んでください。
発表という方法を使って、会場にいる人から教えてもらうっていうことです。教えてもらう立場なので、わからないことがあってもいいんです。
何でも知っているから発表するっていうのではないのです。
後輩にはこんなことを伝えています。目の前にいる人と再び会うことはほぼありません。だから失敗しても大丈夫なんですよ。
自信を持って堂々と発表しましょう。
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