リハビリテーションカルテは病棟で書いてますか?それともリハビリテーション室で書いていますか?
電子カルテを採用している病院も増えてきていて、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士さんたちはカルテをどこで書いているのでしょうか?病棟に行ってますか?
カルテは1患者1カルテが基本
法的には1患者1カルテが基本なんですよね。紙のカルテも電子カルテも一人の患者さんにつき1つのカルテしか存在しない、それが基本なんです。
ところが、リハビリテーションを実践している病院では、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリテーションスタッフが利用するカルテのみをリハビリテーション室においている病院もいまだに存在している。いわゆる「カルテの分冊」ですね。
リハビリテーション室にどんどん患者さんが訪れて、学校の時間割りのようなスケジュールをこなすために、カルテのリハビリテーションに関する部分のみをリハビリテーション室に分けて置いておき、記載しているんですね。
患者さんが退院したら、病棟のカルテとリハビリ室のカルテを合わせて1冊にして保管するようです。
本当は分冊してはいけないのです。法的にもよくないし、連携の基本はカルテにあるからなるべくなら1患者1カルテのほうが好ましい。
他職種の情報を確認できるのがカルテ
医師、看護師、介護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などなど、入院中の患者さんに関わる記録はすべてカルテに記載することになっていますよね。そのカルテを見れば、「いつ」「どこで」「誰が」その患者さんに関わっているのかってことがわかる。
その患者さんについての、各職種の目標やアプローチ、疑問なども記載されている。
つまり患者さんに関しての情報が詰まっているのがカルテ。
自分たちが記載するだけではなくて、他職種も記載している。だから、自分がカルテに記載するときに、ちょっと他のページを見てみれば他職種がどんな関わりをしているのかって事が一目でわかるんですよね。
作業療法士としてリハビリテーション病院に勤務しているときも、自分がかかわっている患者さんの病棟での様子を確認するのによくカルテを見ていました。
とくにリハビリテーションスタッフがかかわることの少ない夜勤帯の患者さんの様子などを確認することが多かったかな。
自分の関わりが少ない夜勤帯の情報を確認することで、ADLへのかかわり方の工夫をしていました。
そんな感じで、他職種の情報を確認できるツールとして使えるのがカルテなんですよね。
リハビリテーションスタッフが詰所に行く時が連携のチャンス
だから、1患者1カルテだとそのカルテは病棟の詰め所においてあるのが基本です。
そうすると、全ての職員は詰所に来てカルテ記載することになりますよね。詰所に行ってる時間が連携のきっかけになるんですよ。
当然詰所には看護師や介護職員がいていますよね。情報交換のチャンスではないでしょうか?
でも慌ててはいけません
連携のタイミング
病棟に行ったときに、看護師さんがいるからといって、いつでも情報交換できるというわけではありません。看護師さんや介護職員さんには、それぞれの業務スケジュールがあるわけで、あなたの時間に余裕があるからといって、看護師さんたちも時間に余裕があるとは限らないからです。
まずは病棟のカルテに、記載でもしながら、他部署の情報などをみながら、詰所の雰囲気を感じましょう。
- バタバタと忙しそうな時間帯ではないか
- 急な休みが入って忙しそうでないか
- 担当の看護師さんはいてるか?
- 主任さんは在室しているか
などなど、情報交換できそうなタイミングかどうかを詰所の雰囲気を感じましょう!
情報交換の中身
カルテを見て、自分の知らない情報があったり、他部署の関わりや方針がよくわからなかったりするときは、情報交換して情報を共有する必要があります。
でも、だらだらと余計な話をしていては効率的な情報交換はできません。
まず理学療法士、作業療法士、言語聴覚士としてのリハビリテーションサイドとしてのあなたが病棟に伝えるべき情報はなんであるのかを考えておく必要があります。
- 現在のリハビリ内容
- リハビリの目標や目的
- 他部署に確認したい事項
どのような情報交換を必要としているのかしっかり考えましょう。
目的の共有、場の共有、時間の共有が連携を生み出す
普段話もしないような人とうまく連携はできません。
いかに「共有」できる部分を作り出すことができるかが連携なのです。
あなたと連携することでメリットがないと相手は連携してくれません。
- 一方的にこちらの要求を押し付ける
- リハスタッフにしか通じない専門用語で話しまくる
- やたらと、時間のかかる介護方法を押し付ける
こんなことやっていませんか?
あなたと連携するメリットが相手にはあるのでしょうか?
あなたと連携するメリットを感じてもらうためにも、詰所にはこまめに通ってあなたの存在をアピールする必要があると思います。
自分の依頼を頼みに行くときだけしか、詰所にいかないようでは、看護師さんともうまく連携できません。
まずはカルテを病棟で書く、病棟のカルテを見るような行動から始めてみてはいかがでしょうか?
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