【子供のリハビリ】スプーンや鉛筆の握りだけを練習するわけじゃあない、他の活動もどんどんやろう!

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保育園の園長さんと保育士さんの研修会の打ち合わせをしたので、園長さんがお読みになったコラムをFacebookにのせたところ思わずシェアされてしまったので、もうちょっと追加で書いてみます。

※握りの発達には、大まかな発達の方向性はありますが必ずこのようになるって決まりがあるわけではありません。手の発達に対して不安な方は専門機関に相談してください。作業療法士としての経験に基づいて記事を書いていますが、個人的見解です。一般の方からの発達相談やコメントなどには対応しておりません。


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発達的視点で考える

スプーンの握りの変化は、ある程度のパターンがあります。この持ち方のパターンについては、けっこう保育士さんたちや保護者の方たちも知っている発達のパターンなので、持ち方の練習をさせるとなるとなるべくなら三指握りを目指すってことになってしまいがち。

  • 鉛筆の持ち方
  • スプーンやフォークの持ち方
  • お箸の持ち方

は写真入りで解説しているようなサイトや雑誌なども多くある。

だから、子供たちの握り方を見て上手でなかったら3指握りをさせて強制的に練習させるということが多いようだ。

園長先生からも、

どんな持ち方を目指すのかってことを知っている保育士は多いが、なぜその持ち方に変化していくのかっていうような身体の発達や運動機能の発達と関連付けて考えている人は少ない

って伺いました。だから研修会で伝えてほしいと。

発達的な視点が必要なんだと感じました。

手の使い方はトータルで評価する

食事で使うスプーンやお箸、絵を描いたり文字を書いたりする鉛筆やクレヨン等は手の使い方の評価としてよく見るポイントだ。

持ち方を他の子供と比較できるし、目標とする持ち方は三指握りって言うイメージがあるから指導しやすいんだろうな。

だけど、手を使うってことだけを考えると決して、スプーンとかクレヨンとか鉛筆だけではないわけですよ。

  • ボタンを留める
  • 靴を履く
  • ハサミを使う
  • 手を洗う
  • 歯ブラシを使う
  • オモチャで遊ぶ

いろんな場面で手を使って活動しているのが子供だ。

だから、お箸やクレヨンの使い方が苦手な子供さんの多くは、他の場面での手の使い方も苦手なことが多い。

成長途上にある子供たちはちょっとずつ成長する。一つのことが出来るようになると、他のことも上手にできるようになってくる。

小さなボタンを留めることが出来るようになってくる子供たちの多くは、スプーンの使い方もだんだんと上手になってくる。

靴を立って履くことが出来るようになってくる子供たちは、立位バランスがよくなってきているので段差の昇降も上手にできるようになってくる。

ジャングルジムの上り下りが上手にできるようになってくる子供は、体幹や四肢の近位部の使い方も上手になってくるので、ボール投げとかジャンプとかも上手になってくることが多い。

それぞれの場面での運動機能の向上や発達は、他の場面の動作にも関連して成長してくる。

だから、スプーンやクレヨンの動作だけをチェックするのではなくて、他の場面も含めて全体的にに手や体の使い方を評価してほしい

スプーンばっかり練習しなくても、その時期に合ったおもちゃや、運動をしていけばスプーンの使い方も上手になってくる。

工作課題を工夫すれば、クレヨンの使い方も上手になってくることだってある。

トータルな視点で見ることが必要なんだと考えています。

長い時間関わるからこそ・・・

幼稚園とか保育園のスタッフの皆さんは、私たちリハビリテーション専門職のような視点は持っていないかもしれない。

だけど、長時間関わることのできる保育士さんや幼稚園の先生たちは、トータルな子供の行動を見ることが出来る。

僕たちリハビリテーション専門職は長時間子供を見ることが少ない。

一日の生活の中で、ある活動が上手になってきていればそこをもっと伸ばしていってあげると、他の活動も上手になることは多い。

そう言った点で、子供たちと長時間関わることのできる保育園や幼稚園はしっかりと子供の能力を伸ばすことのできる場所なんだと思う。

スプーンやフォークやクレヨンを上手に握るためには、握る練習ばかりを強制的にさせるのではなく、手を使うほかの活動をどんどん取り入れることも必要になってくるんだってことを、保育園での研修会では伝えたいと考えています。

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