4カ月ほどかかわってきた5歳児さんの書字動作にようやく改善の目途が立ってきました。どのあたりを評価して目途が立ってきたと考えているのかってことを書いてみる。
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こんな鉛筆の持ち方
鉛筆とかスプーンとかの持ち方のリハビリについての考え方は こちらの記事 をご覧ください。
鉛筆の持ち方だけではなくて、スプーンの持ち方にも未発達な部分があるケースでしたので、この記事でも書いたようなスプーンを使った課題を中心にリハビリをしていました。
スプーンは時々三指握りで持てるようになってきたんだけど、鉛筆やクレヨンなどを操作するときは3指握りでは持つことが難しく、写真のように指先で保持はできるんだけど3指握りにはなりません。
しかも、絵を描いたり字を書く練習をしたりするときには、大人のように手を机の上にのせて書くのではなく、手を浮かせた状態で書いていました。(筆で字を書くような感じ)
取り組んだこと
指や手関節の運動機能には問題がありませんでした。
スプーンなどの柄を持つときは手指回内握りになることもあれば3指握りになることもありましたが、鉛筆は必ず写真のように5本指の先端で把持するように持っていました。
鉛筆などを把持するときに5本指で持ってしまうのは、
三指握りでは手指での把持力が十分ではなく筆圧が弱くなり思うように鉛筆やクレヨンなどを操作できない。5本指で把持したほうが安定感が増す。また、手指や手関節の協調性が未発達なために鉛筆やクレヨンを持つことはできても指先では操作できず、手関節や腕全体で書く方が上手にかけるから、机上面に手を載せて書くのではなく、手を机から離して書くようになってしまうからだ
と見立てました。
異常性が強いというよりも経験が不十分なため、未発達な要因が大きいように感じました。
だから、無理やり握りを変えてスプーンや鉛筆を持たせるようなことはせずに、指先での把持力を向上させるような課題として「塗り絵」「シール貼り」とかしながら、本人が好きなシルバニアファミリーで遊んだりして、指先を積極的に使う機会をとるようにしました。
指先を積極的に使うことで、指先部分での物の把持する能力を伸ばしました。
数を数えることに執着する傾向がある子供さんだったので、ビーズ通しなども数を数えながらやったりすることで紐をつまんだりするような手指の協調的な動きの練習も嫌がらずに取り組んでくれました。
持ち方は変わらないけど・・・
スプーンは3指握りで持つことが増えてきました。
大きな升目に字を書く練習を始めているのですが、鉛筆の持ち方は相変わらず5本指もちです。
だけど、昨日のリハビリの場面では手を机の上にのせて、机に手をくっつけて字を書くようになってきました。
そして、手を机にくっつけながら、指先の動きで字を書くようになってきました。
これまでは、手を浮かせて手首の動きで書いていたので大きな字になっていたのですが、昨日のリハビリでは手を机にくっつけて指先の動きで字を書くので少し上手に線を引けるようになってきました。
鉛筆の持ち方は変化ないんですが、指先の動きは変化が出てきました。
この調子でいけば狙い通りに鉛筆の持ち方も、三指握りに変化していくと予想しています。
作業療法士の視点
なんで上手に使えないのか?
って部分を細やかに分析することは作業療法士の仕事です。
無理やり鉛筆の持ち方を矯正するような練習方法もありますが、今回のケースではそのような方法を選択しませんでした。
事前の評価で、上手にできないってことの原因の見立てをして、そこを改善する取り組みを行ったからです。
上手に鉛筆やスプーンを持てないことの原因を考えもせず、道具を変えたり矯正的に持ち方を変えたりするような選択を作業療法士はしないのです。
必要であれば、道具をつかったり補助具をつかったり、ホルダーをつかったりすることもあります。
だけど、何も使わない場合もあります。
それぞれのケースでそれぞれに最も適した手段やアプローチを選択するのが作業療法士なのです。
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