「退院後の生活に向けたアプローチ」と「触らないリハビリテーション」のこと


「報酬改定の経緯から考える、2024年同時改定後に実践すべきリハビリテーションの方向性」というコラムで書いた方向性の一つに、「触らないリハビリテーションの実践」がある。

私のブログにおいても「触らないリハビリテーション」については繰り返し書いている。
触らないリハビリテーションのコラム一覧

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いつまで触るのかな?

病院リハビリテーションでも在宅リハビリテーションでも、とにかく触るリハビリテーションを実践するセラピストが多いし、触るリハビリテーションのことを否定はしません。

心身機能の改善にアプローチするには、触るリハビリテーションは必要だと考えています。

だけど退院後の生活=在宅での生活ではADLを遂行する前に体の状態を整えたり、ストレッチしてくれたり、筋緊張の調整をしてくれる人は患者さんのそばにはいません。

いつかどこかで、セラピストの手から離れた生活を送ることになります。

だからこそ、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が関与しない生活のことを考慮したリハビリテーションの実践が必要だと考えています。

そういったことを考慮したうえで実践されるリハビリテーションと全く考慮しないリハビリテーションでは、臨床で実践するリハビリテーションのアプローチが変わってくると思うのですよね。

退院後の生活=在宅の生活のことを全く考慮せず、触り続けるリハビリテーションを実践するセラピストさん達はいつまで触り続けるのでしょうか?

少しでいいから退院後の生活を考えてほしい。

「自宅復帰」といっても、自宅での生活環境は対象者さんによって全く違うのです。退院後には身近なところに24時間サポートしてくれるセラピストはいないのです。

関わる時期によりアプローチを変化させることが必要

以下の図に示しているように、厚労省の検討会においても「急性期や回復期であっても活動と参加」に関する目標設定は必要だと書かれている。

リハビリテーションの進め方の基本的な考え方として、図に示しているように「心身機能」へのアプローチと「活動と参加」へのアプローチは常に同時進行だと考えています。

急性期や回復期、生活期など時期によったり、対象者さんの身心機能の状態などによって「心身機能」「活動と参加」どちらにどの程度の配分をしながら関わるかって言うのは変化すると思いますが、常にどちらか一方だけにアプローチし続けるということはないのです。

退院後の生活ではセラピストに触ってもらえない生活が待っているのです。

だからやがては、触り続けるアプローチだけではなく「触らないリハビリテーション」という選択肢が必要になってくるのです。

セラピストが触ったから歩ける、セラピストが触ったから動きやすい、だけではなくて「セラピストが触らない状態でも活動する」ということが必要になってくるのです。

触らないリハビリテーションの先に「活動と参加へのアプローチ」があるのです。触るリハビリテーションが目指しているのは、退院後のセラピストがいない生活なのです。

触らないリハビリテーションの第一歩は、

リハ目標の到達度合いの確認です。

リハのマンツーマンの介入時の最初の時間に、その時点での目標としている活動を実践すること。セラピストの個別的な介入前の身心機能でどれくらい目標としている活動が実践できるのか確認することが触らないリハビリテーションの第一歩です。

40分とか60分のセラピストの介入後に確認するのではなく、最初に確認するからこそ、現時点での能力の把握が可能になるのです。

まずこのプロセスが必要なのです。

活動と参加へのアプローチ

活動と参加へのアプローチって書くと、難しいって感じるセラピストもいるかもしれないし、研修会に行く必要があると考えるセラピストもいるかもしれませんが、そんなに難しいことではないと考えています。

活動と参加へのアプローチのコツについては、「2021年版note 生活期リハの視点で病院リハと地域リハをつなぐ・変える」にシリーズとして掲載しています。興味ある方はご覧ください。動画の視聴は2021年版note購入者さんのみ可能です。

退院後の生活を考えると活動と参加へのアプローチは必須なのです。

ブログをお読みいただいた読者さんに特別に、「活動と参加へのアプローチのコツ2」の動画を公開いたします。

「触る」ことと「触らない」こと

いつの時期でも触るリハビリテーションの介入は必要です。

だけど、触る時間の配分や触り方などは意識することが必要です。

通所リハや通所介護、訪看リハのそれぞれの事業所を非常勤掛け持ちで働いている作業療法士の私は、触ること触らないことの違いをかなり意識して対象者さんに関わっています。

目標設定とそこに向けたアプローチという戦略の中で、触る時間と触らない時間を考える。常に意識していることは、

  • 触り続けることがリハビリテーションではない
  • 触り続けることでセラピストに依存させない
  • 対象者さん自身が実践できる活動がある


そんなことを考えながら関わっていくことが必要で、それを意識するからこそ実践するリハビリテーションにも少し変化が出てきます。

触らないリハビリテーションは2024年同時改定以降のリハビリテーションの大きなテーマだと考えています。

病院リハでも、訪看リハでも訪問リハでも、通所リハや通所介護でも触らないリハビリテーションと活動と参加へのアプローチは重要性を増してきます。

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