理学療法士も作業療法士も言語聴覚士もやたらめったら治療手技の研修会に出向く。そのことは批判しません。僕も30代くらいまではよく研修会に行ってました。
だけどね、いろんなアプローチを身につけるということの結果として
- 俺が治してやる!
- 他職種なんて信用できない!
- リハビリは俺がやってるんだ!
みたいな感じのセラピストに成長してしまうのは大間違いだと考えている。
保険外サービスの意味合いを勘違いして腕一本で独立したいと考えている勘違いセラピストも増えつつある。
リハビリテーションは多職種で実践することが基本で、特定の職種だけで何とかするという考え方は対象者にとって不利益であると考えるのが作業療法士である私の立ち位置です。
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厚労省の資料から
【厚労省】2019年2月末時点での介護保険の現状についての資料がまとめられていますというコラムで紹介した厚労省の資料があります。紹介する図は以下の厚労省の資料からの抜粋です。
- 第75回社会保障審議会介護保険部会資料
(厚労省のサイトに移動します)
この資料に掲載されている資料に以下のような二つの図があります。
上手の真ん中の部分(赤枠で囲んでいます)にはこのような一文がある
生活環境の調整や居場所と出番づくりなどの環境へのアプローチも含めた、バランスのとれたアプローチが重要。そのため、リハビリ専門職等を活かした自立支援に資する取組を推進する。
二つ目の図
真ん中の緑色の部分にこのような一文がある。
リハビリ職等と連携して効果的な介護予防を実施・保険者が、多職種が参加する地域ケア会議を活用しケアマネジメントを支援
いずれもリハビリテーション専門職との連携を含めたアプローチが求められているという内容だ。
けっして理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が一人でリハビリテーションをわがままに進めるということではない。
頼られるということ
リハビリテーション専門職である理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は病院などで患者さんに頼られることがあるでしょう。
頼られている⇒何とかしないと⇒俺が治す
みたいな感じで勘違いが発生する。「俺が治す」ためにいろんな研修会に行くんでしょう。
だけどね病院でも地域でもそうだけど、その患者さんに関わっているのはリハ専門職だけではありません。重度なケースになればなるほど、多職種が関わる。
だから多職種連携でリハビリテーションは進めるべきなんですよね。
だけど他職種よりもリハ職の方が患者さんに頼られていると感じているセラピストもいるでしょう。
病院だと特にそんな風に感じているセラピスト多いんじゃないかな。それは勘違いです。
病院業務としてマンツーマンで40分以上もの時間を関わる職種がほかにいないだけです。ほかの職種ではそのような関与が難しいだけ。だから結果的に患者さんやご家族とゆっくり話を出来るんです。
家族さんの側からすれば、じっくり話を出来る時間があるから消去法的にリハ職と話をするだけであって、他職種が同じように時間を確保することができるなら医師や看護師にももっといろいろ相談したり話したりするよ。
でも今の制度では医師や看護師さんたちはどんなに努力してもそんな時間確保することが難しいのです。
そんな状況を勘違いして、「他職種よりも俺の方が信頼されている」と勘違いしたセラピストが増えているのでしょうね。
多職種連携のリハ
多職種連携で進めるのがリハビリテーションの基本です。
そのことをしっかりと理解しながら、病院や生活期の領域でリハビリテーションを実践してほしいものです。
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